昨日まで、何もなかったのに朝になると葉が何者かに食べられていた事はありませんか?
しかも、害虫がどこにも見当たらない。
それは、ヨトウムシ(夜盗虫)のしわざです。
ヨトウムシは、日中は土の中に隠れているので、捕まえるのに苦労します。
そんなヨトウムシの被害ですが、そのまま対策せずに放置していると、芯の部分を食べられ成長が止まったり、葉が食べつくされて野菜が枯れてしまいます。
しかし、ある対策をおこなえば、ヨトウムシの被害にあわずに、初心者のあなたでも上手に美味しい野菜を作ることができますので、紹介していきますね。
そこで、ヨトウムシの野菜被害対策を
- 被害になりやすい野菜の種類
- 被害の特徴と様子
- 発生の時期と場所
- 8つの予防や対策方法とポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
ヨトウムシの野菜被害の特徴
ヨトウムシが発生しやすい野菜
【ヨトウムシが発生しやすい野菜の特徴】
ネギ科・・・アサツキ・ワケギ
アブラナ科・・・カリフラワー・キャベツ・ダイコン・ハクサイ・ブロッコリー
ウリ科・・・ゴーヤ
ナス科・・・シシトウ・トウガラシ・ピーマン・パプリカ
セリ科・・・ニンジン
ヒユ科・・・ホウレンソウ
マメ科・・・ラッカセイ
ヨトウムシは、成長すると3~5cmで茶色・黒・緑色に変化します。
ヨトウムシの被害の特徴と様子
ヨトウムシの被害の特徴は、葉脈以外の葉が全て食べられてしまうことです。
ヨトウムシは、日中のあいだ土の中に隠れています。
夜になって、地面に出てきて葉を盗み食いするので「夜盗虫(ヨトウムシ)」といわれています。
ヨトウムシは、蛾の一種であるヨトウガの幼虫です。
最大5cmまで成長すると、食欲は旺盛になりますので1晩で葉が丸ごとなくなることもあります。
ヨトウムシが発生する時期や場所
ヨトウムシの被害は、春からはじまり10月ごろまでつづきます。
ヨトウムシの産卵は、複数回にわたって葉や葉の裏におこなわれます。
1匹あたり1,000~3,000個の卵を産みます。
卵から成長したヨトウムシは、周りの葉を食べつくしたあと土の中でサナギになります。
サナギから成虫の蛾になるのは、時期によってことなります。
- 夏にサナギとなったヨトウムシは、秋には蛾になる。
- 秋にサナギとなったヨトウムシは冬を越して、春に蛾になる。
これが繰り返されるため、見つけ次第はやめに駆除しなければいけません。
ヨトウムシの8つの対策方法
ヨトウムシ被害を防ぐために8つの方法があります。
- 土作りの時に幼虫がいないか調べる。
- コーヒーの出がらしを土に混ぜる。
- 防虫ネットで卵を産むのを防ぐ。
- 草木灰で産卵防止をする。
- 白くなった葉の裏をチェックする。
- 米ぬかトラップで幼虫を捕獲する。
- 殺虫灯でヨトウガを駆除する。
- 農薬で駆除する。
ヨトウムシは見つけ次第、つかまえましょう。
しかし、日中は土の中にいるため見つけにくいです。
ここで紹介する8つの方法で、ヨトウムシから野菜を守りましょう!
対策1.土作りの時に深く耕し幼虫がいないか調べよう!
ヨトウムシの幼虫は、土の中にかくれています。
成虫になってしまうと、大量に卵を産んで被害が拡大します。
そのため、土作りの時に深くたがやして、ヨトウムシがいないか調べる必要があります。
対策2.コーヒーの出がらしを土に混ぜよう!
ヨトウムシは、コーヒーが苦手です。
濃いコーヒーを葉の表面に散布すると、ヨトウムシは寄ってきません。
出がらしを土に混ぜこんでおけば、畑から追い出すこともできます。
対策3.防虫ネットを被せて卵を産むのを防ごう!
ヨトウガが、葉に卵を産んで孵化したヨトウムシが葉を食べます。
防虫ネットをトンネル掛けして、ヨトウガを野菜にちかづけない様にします。
種をまいた時や苗を植え付け時点で、すぐに設置しましょう。
このとき注意しなければいけないのが、ネットと地面にすき間をつくらないことです。
1番有効なのは、ネットの端を地面に埋めてしまうことです。
対策4.草木灰を葉に散布して産卵防止をしよう!
草木灰は、ワラ・落ち葉・枯れ草などを燃やしてできる灰です。
この灰を、葉にまいておくとヨトウガは近づきません。
早朝の朝露が葉にのこっている時にまけば、灰が葉にのこります。
地面に落ちても、肥料になるだけですので心配はありません。
対策5.白くなった葉の裏をチェックし卵や幼虫を駆除しよう!
ヨトウムシの卵は、葉の裏についていることが殆どです。
産卵されたり、孵化してくると葉が白くなってしまいます。
対策6.米ぬかトラップで幼虫を捕まえよう!
ヨトウムシの幼虫は、米ぬかが大好きです。
この性質を利用した捕獲器を使えば、簡単にヨトウムシの幼虫を捕獲できます。
・ 米ぬかトラップの作り方
1、準備するもの
- 米ぬか
- 深さ5cm以上あるパック容器(お惣菜屋で食品を入れているような容器)
2、トラップの設置方法
- 容器一杯に米ぬかをいれます。
- 被害にあっている野菜の株元に容器を入れる穴を掘ります。
- 土の表面と、容器の表面が一緒になるまで容器を埋めます。
- 夜のあいだ、ヨトウムシが米ぬかを食べつづけます。
- 朝になったら、米ぬかにヨトウムシが隠れます。
これで、ヨトウムシを一斉確保できます。
対策7.殺虫灯でヨトウガを駆除しよう!
夜間、光に集まるヨトウガを高圧電気で駆除する方法です。
畑の中にぶら下げておくことも出来ますし、ベランダなどの狭い場所でも有効です。
・ 殺虫灯とは?
光で虫を誘い込み、1900Vの高電圧で殺虫します。
園芸店やホームセンターで購入できます。
対策8.農薬はSTゼンターリ顆粒水和剤がおすすめ!
ヨトウムシの駆除には「STゼンターリ顆粒水和剤」が有効です。
この農薬は、天然由来の成分を使用しているので、有機栽培も可能です。
そのほか、下記の農薬も有効です。
- アファーム乳剤
- オルトラン水和剤
- デナポン 5%ベイト
- GFオルトラン粒剤
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「ヨトウムシの野菜被害対策!予防や駆除方法・ベストな農薬も紹介」を紹介してきました。
せっかく時間をかけてつくってきた野菜が、ヨトウムシの被害にあうとガッカリします。
【ヨトウムシの特徴】
2~3cmのイモムシです。
卵を産むのは、ヨトウガです。
【発生の時期】
春から10月まで被害にあいます。
【被害にあう野菜】
おもに、アブラナ科やナス科が被害にあいます。
そのほか、葉がつく野菜も要注意です。
【被害の特徴】
対策をおこなわないと、葉がボロボロになります。
最終的に丸坊主になって、野菜が枯れます。
【ヨトウムシ対策】
ヨトウムシ対策には、8つの方法があります。
- 土作りの時に幼虫がいないか調べる。
- コーヒーの出がらしを土に混ぜる。
- 防虫ネットで卵を産むのを防ぐ。
- 草木灰で産卵防止をする。
- 白くなった葉の裏をチェックする。
- 米ぬかトラップで幼虫を捕獲する。
- 殺虫灯でヨトウガを駆除する。
- 農薬で駆除する。