庭先や家庭菜園に1本あると重宝するシソ。そうめんや冷奴の薬味として、刺し身のツマとして、使いたい分だけいつでも収穫できると便利ですよね。
和風ハーブの代表格といえるシソは、香りが良いだけではありません。高い殺菌効果や食欲増進効果、整腸作用もある優れたハーブなんですよ。
そんなシソの栽培ですが、発芽に光が必要な光発芽種子のため、日光に十分当てないと発芽してくれません。
しかし、ある対策をおこなえば発芽を促すことができ、初心者のあなたでも上手に美味しいシソを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、シソの育て方と栽培のコツを
- シソ栽培の特徴
- 発芽のコツと柔らかい葉を摘むためのポイント
- おすすめの品種
- 種まき~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
シソの栽培の特徴とコツ
シソの栽培の特徴
シソの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★☆☆☆☆
分類:シソ科
種まき時期:4月中旬~5月下旬
収穫時期:6月中旬~10月上旬
発芽適温:20〜25℃
生育適温:20~25℃
好適土壌pH:6.0〜6.5
連作障害:連作可能
【栽培のコツ1】 光発芽種子なので、日当たりの良い所に種をまこう!
シソの種は光発芽種子といって、発芽に光を必要とする種子です。
種をまいた後、覆土が厚いと光が発芽しないことがあります。
土は薄くかぶせる程度にし、日当たりの良いところで育てましょう。
【栽培のコツ2】摘心をして、柔らかい葉を収穫しよう!
本葉が7~8枚になるころに摘心し、わき芽を多く発生させると、柔らかい葉を沢山収穫できるようになります。
また、夏場に土が乾燥し根が傷むと、香りが弱くなり葉も硬くなってしまいます。
敷きワラなどで乾燥を防ぐことも柔らかい葉を育てるためのポイントです。
シソのおすすめの種まき時期は4月中旬~5月下旬
シソの種まき時期は、栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 4月下旬~6月上旬
- 中間地(関東等) : 4月中旬~5月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月上旬~5月中旬
シソのおすすめの品種は芳香あおしそ、青ちりめんしそ、天神あかしそ
シソには、葉の色が緑色の「青ジソ」と赤紫色の「赤ジソ」がありますが、品種はあまり分化されていません。
芳香あおしそ
鮮やかな緑色で、丸みを帯びた葉の先端はやや尖っています。
香りがよく生育も旺盛な育てやすい品種。
青ちりめんしそ
葉がちりめん状の緑色種。
耐暑性があり、土質を選ばないため、気軽に栽培できます。
天神あかしそ
太宰府天満宮の近くで昔から栽培されていたという芳香性の強い赤シソ。
葉は濃い赤紫色で、肉厚で柔らかい大葉に育ちます。
シソの育て方と栽培のポイント
手順1.植え付け2週間前に土作りをしておこう!
- 植え付けの2週間前に1㎡あたり100gの苦土石灰をまき、深さ30cmくらいまで土をよく耕しておきます。
- 植え付けの1週間前に、1㎡あたり2kgの堆肥と100gの化成肥料をまき、土とよく混ぜます。
手順2.3号ポットに種をまこう!
シソは直まきでできますが、種が小さいのでポットのほうが、種まきしやすいでしょう。
- 種は発芽を促すため、一晩水に浸しておきます。
- 3~4号ポットに種まき用の培養土を入れ、種まきの前日にたっぷりと水をかけておきます。
- ポットに5~6粒ずつ種をまき、ごく薄く土をかけ、しっかりと鎮圧します。
- 種が流れないように気をつけながら、水を与えます。
シソの種は、発芽するときに光を必要とする光発芽種子(好光性種子ともいいます)です。
覆土が厚いと発芽しないこともあるので、 できるだけ薄く土をかぶせ、ポットは日当たりのよい場所で管理しましょう。
シソの発芽適温は20〜25℃。
種まきは気温が十分に上がってから行いましょう。
直まきする場合
シソの種は直まきすることもできます。
株間を30~40cmほどあけて、1ヶ所に5~6粒ずつ点まきします。
手順3.発芽まで土が乾かないように、新聞や不織布をかけておこう
シソは乾燥に弱いので、 発芽までは新聞紙や不織布、寒冷紗などで覆い、土が乾かないようにしましょう。
発芽後は、すぐに新聞紙をはずします。
そのままにしておくと、日光が足りず、苗がひょろひょろと育ってしまいます。
手順4.【間引き①】本葉が出てきたら3本に間引く
本葉が出てきて、混み合ってきたら3本に間引きます。
直植えの場合は、発芽がそろった頃に、1回目の間引きをします。
手順5.【間引き②】本葉が3枚で2本に間引く
本葉が3枚になった頃に、2本に間引きます。
その後は、本葉が4~5枚になるまでポットで育苗します。
直植えの場合も、葉が込み合ってきたら、元気のよい株を残して順次間引きいていきます。
手順6.本葉が4~5枚で植え付けよう!
本葉が4~5枚になったら、植え付けの時期です。
- 幅60~70cm、高さ10cmの畝を立てます。
- 株間を30~40cmあけて植え穴を掘り、ポットから苗を丁寧に取り出して植え付けます。
- 植え付けてから根付くまでの約1週間は、たっぷりと水を与えるようにしましょう。
手順7.植え付け1ヶ月後に追肥しよう
植え付けから1ヶ月後に追肥を行います。
1㎡あたり30gの化成肥料を株間にまき、土の表面を軽く耕します。
その後、根元に土を寄せます(土寄せ)。
シソは肥料が切れると葉が硬くなったり、香りが弱くなってしまいますが、逆に肥料を施しすぎると、アブラムシなどがつきやすくなるので、注意しましょう。
手順8.本葉7~8枚で摘心しよう!
本葉が7~8枚になったら、摘心をします。
摘心してわき芽をの生長を促すことで、収穫量を増やすことができます。
シソの収穫時期と収穫方法
シソの収穫時期
シソの収穫時期は、栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 6月下旬~9月中旬
- 中間地(関東等) : 6月中旬~10月上旬
- 温暖地(四国・九州等): 6月上旬~10月下旬
背丈が30cmになったら、下の葉から摘んで収穫しよう!
草丈30cm以上になったら収穫できます。
下のほうの葉から順に摘んで、収穫しましょう。
一度にたくさん摘みすぎないようにし、 わき芽の生長を促しながら収穫をすれば、長い期間収穫を楽しむことができます。
生長の勢いが強くなりすぎてしまったら、余分な葉は摘み取っておくようにします。
赤ジソの収穫方法
青ジソは葉を摘みながら株を育てますが、 赤ジソは収穫適期に株ごと根から引き抜いて収穫します。
花や実を収穫しよう!
8月頃になると花が咲き始めるので、花穂や穂ジソの収穫もできるようになります。
花穂を摘み取った「穂ジソ」は、刺し身のツマなどに利用することができます。
花穂をそのままにしておくとできる「実ジソ」は、 穂を指でしごくようにして収穫します。
2年目の栽培はこぼれた種を自生させよう!
シソの種は、1年経つと発芽率が非常に悪くなってしまうので、1年目に買って余った種を翌年まいても発芽しない場合があります。
その代わり、 こぼれ種が発芽して雑草のように生えてくることが多いので、2年目からは苗や種を買わなくても、シソの栽培を楽しむことができますよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「シソの育て方!日当たりや摘心など栽培のコツ」を紹介してきました。
発芽までは日光によく当てるようにし、その後は乾燥に注意しながら育てれば、大きな株に育て上げることができますよ。
【種まき時期】
栽培する地域によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 4月下旬~6月上旬
- 中間地(関東等) : 4月中旬~5月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月上旬~5月中旬
【種まき】
一晩水に浸した種をポットに5~6粒ずつまき、薄く土をかぶせます。発芽までは新聞紙などをかぶせておきます。
【間引き】
本葉が出たら3本に間引き、本葉3枚で2本に間引きます。
【土作り】
堆肥と元肥を入れてよく耕し、幅60~70cm、高さ10cmの畝を立てます。
【植え付け】
本葉が4~5枚になったら、植え付けます。
【水やり】
土を乾燥させないよう、こまめに水やりをします。
【追肥】
植え付けから1ヶ月後に株間に追肥をし、土の表面を軽く耕して土寄せします。
【収穫方法】
草丈30cm以上になったら下のほうの葉から順に摘んで、収穫します。花が咲き始めたら、花穂や穂ジソの収穫もできます。
【収穫時期】
栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 6月下旬~9月中旬
- 中間地(関東等) : 6月中旬~10月上旬
- 温暖地(四国・九州等): 6月上旬~10月下旬
【2年目以降の栽培】
こぼれ種から自生します。