病害虫の被害状況と対策方法

炭疽病の野菜被害対策!5つの防除方法や予防効果が高い農薬も紹介

まだ収穫時期をむかえていない野菜の葉や茎が、灰色や黒色の斑点ができて徐々に広がっていくことがあります。

それは、炭疽病(たんそびょう)といって多彩な感染経路で広範囲の野菜が被害にあいます。

そのまま対策をせず放置していると、葉が破れたり穴があいて枯れてしまったり、次々と他の野菜へ病気が感染してしまいます。

しかし、ある5つの対策をおこなえば、炭疽病の被害にあわずに、初心者のあなたでも上手に美味しい野菜を作ることができますので、紹介していきますね。

そこで、炭疽病の野菜被害対策を

  • 被害になりやすい野菜の種類
  • 被害の特徴と様子
  • 発生の時期と場所
  • 5つの予防や対策方法とポイント

にわけて、説明していきたいと思います。

年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^

炭疽病の野菜被害の特徴

炭疽病が発生しやすい野菜

炭疽病が発生しやすい野菜の特徴

アブラナ科:コマツナ
ウリ科:キュウリ・ゴーヤ・スイカ
キク科:シュンギク
マメ科:インゲン豆
ヒユ科:ホウレンソウ
ヤマノイモ科:ヤマイモ

炭疽病の原因と伝染経路

炭疽病は、カビの一種である糸状菌が原因で発生します。

この病原菌は、この病気に感染した落ち葉や苗などで冬を越すことができます。

気温が20℃を超えて湿度がたかくなると、このカビは胞子をつくり始めます。

そして気温が上がって28℃前後になると最も活発に胞子が作られ感染が拡大します。

この胞子は、次の3つの方法で感染を広げます。

  • 風で運ばれる
  • 降雨で飛び散る
  • 雨の跳ね返りで付着する

さらに、感染した野菜からも胞子が作られることで周りに広がっていきます。

ことさん
ことさん
1つの野菜だけでなく、広範囲で被害が出てしまいます。

炭疽病の被害の特徴と様子

炭疽病に感染すると、次のような症状が現れます。

  • 葉や茎に、黒いアザのようなものができる
  • 株全体が萎れて、株元が黒っぽくなる
  • 黒い病斑の中に、サーモンピンク色の粒がある

葉や茎が感染した場合には、灰色から褐色の病斑ができて枯れていきます。

病斑に黒い塊やサーモンピンク色の粒ができていると、そこから胞子が飛び散ります。

ことさん
ことさん
見つけ次第、対処しないと全滅する可能性があります。

炭疽病の5つの対策・防除方法

炭疽病の対策には、5つの方法があります。

  • 病気が発生しない環境づくりが大事。
  • マルチを敷いて、雨の跳ね返りを防止。
  • 被害がでた葉は焼却処分する。
  • 収穫が終わった野菜も処分する。
  • 農薬を使用する。

対策1.水はけが良くて、風通しの良い環境づくりを心がけましょう!

炭疽病の予防で、一番大事なのは病気が発生しにくい環境をつくることです。

そのためには、次の3つを心がけて畑づくりをおこないましょう。

  • 土の水はけを良くすること
  • 畝(うね)を高く作ること
  • 密植や枝葉の盛りすぎを避けて風通しを良くすること

対策2.マルチを敷いて、雨の跳ね返りから感染を防ごう!

炭疽病は、雨の跳ね返りによって野菜に付着して感染する場合があります。

マルチを敷くことで、跳ね返りを防止できますので予防策として実施しましょう。

対策3.被害がでた葉は、必ず焼却処分しましょう!

被害がでた葉は、見つけ次第つみとります。

そして、葉だけではなく落ち葉も含めてしっかりと焼却処分してください。

畑の片隅にまとめておいておくことが厳禁です。

別の野菜で被害が出てしまいます。

対策4.収穫がおわった後の株も除去して処分しよう!

炭疽病に感染した株は、どこまで菌が回っているか分かりません。

そのため、収穫が終わった株や根もしっかりと抜いて処分しましょう。

そのさい、畑に放置しないようにしてください。

そこから、炭疽病の胞子が発生する可能性があります。

対策5.炭疽病の防除には「アントラコール顆粒水和剤」が有効です。

この農薬は、炭疽病に高い予防効果がある殺菌剤です。

そのほか、下記の農薬も有効です。

  • ジマンダイセン水和剤
  • ゲッター水和剤
ことさん
ことさん
商品によって使用量・うすめ方・使用時期がことなりますので、しっかりと説明書を読んでから使用しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「炭疽病の野菜被害対策!5つの防除方法や予防効果が高い農薬も紹介」を紹介してきました。

処置をおこたるとせっかく精魂込めてつくった野菜が、全滅してしまいます。

ことさん
ことさん
しっかりと、対策をおこなって大事な野菜を守りましょう!
炭疽病対策のまとめ

【炭疽病の特徴】
カビの一種である糸状菌が原因です。
胞子が風で運ばれたり、雨により飛び散ります。

【発生の時期】
春と秋で、湿度がたかく気温が28℃前後でもっとも胞子が作られます。

【被害にあう野菜】

  • アブラナ科:コマツナ
  • ウリ科:キュウリ・ゴーヤ・スイカ
  • キク科:シュンギク
  • マメ科:インゲン豆
  • ヒユ科:ホウレンソウ
  • ヤマノイモ科:ヤマイモ

【被害の特徴】
炭疽病に感染すると、次のような症状が現れます。

  • 葉や茎に、黒いアザのようなものができる
  • 株全体が萎れて、株元が黒っぽくなる
  • 黒い病斑の中に、サーモンピンク色の粒がある

【炭疽病の対策】
炭疽病の対策には、5つの方法があります。

  • 病気が発生しない環境づくりが大事。
  • マルチを敷いて、雨の跳ね返りを防止。
  • 被害がでた葉は焼却処分する。
  • 収穫が終わった野菜も処分する。
  • 農薬を使用する。

【おススメの対策】
炭疽病の予防は、次の3つが重要です。

  • 土の水はけを良くすること
  • 畝(うね)を高く作ること
  • 密植や枝葉の盛りすぎを避けて風通しを良くすること