日本の夏の風物詩といえばスイカですね。
栄養たっぷりで水分とミネラルがおおいため、熱中症対策には最適です。
しかも、少量の塩をふりかけて食べると、スポーツドリンクとおなじ効果になります。
さらに、スイカにふくまれるシトルリンという成分は、血液を改善する効果がありますので手足のむくみが改善されます。
良いことづくしのスイカですが、
蔓(ツル)の整理や人工授粉をおこなわなかったり、苗をふかくうえすぎてしまうと、成長がわるくなり果実をつけなくなって収穫量が少なくなります。
しかし、ある対策をおこなえば果実がみのりやすくなり、初心者のあなたでも上手に美味しいスイカをつくることができますので紹介していきますね。
そこで、スイカの育て方と栽培のコツを
- スイカ栽培の特徴
- 栽培時期
- 果実をみのらせる人工授粉の注意点
- ツルを整理して収穫量をふやす方法
- おすすめの品種
- 植え付け~収穫までの栽培手順とポイント
にわけて説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
スイカの栽培の特徴とコツ
スイカの栽培の特徴
スイカの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★★★★★
分類:ウリ科
植え付け時期:5月中旬~6月中旬
収穫時期:7月中旬~8月下旬
発芽適温:25~30℃
生育適温:25℃前後
好適土壌pH:6.0~6.5(弱酸性)
連作障害:連作不可。4~5年あけましょう
スイカを種から育てるには、日中と夜間での対応が大切になります。
そのため、初心者の方には苗の購入をおすすめします。
そのさい、病気に強い接ぎ木苗を選ぶようにしましょう。
【栽培のコツ1】日当たりが良く水はけの良い場所で栽培しよう!
スイカの原産地は、アフリカ南部のカラハリ砂漠です。
ここは、乾燥した土地で気温がたかい場所です。
そのため、スイカの栽培には日当たりがよくで水はけのよい場所が適しています。
たっぷりと太陽の光をあびて甘い果実をみのらせますよ。
【栽培のコツ2】人工受粉で確実に着果させよう!
スイカの雌花は数がすくないため、虫やハチなどの自然な受粉では全く果実がならなかったということもよくあります。
なので、人工授粉をおこなって確実に受粉させましょう!
スイカのおすすめの植え付け時期は5月上旬~6月上旬
スイカの苗は寒さによわいため、栽培地によって植え付け時期や収穫時期がかわります。
- 寒冷地(東北等) :5月下旬~6月下旬
- 温暖地(関東等) :5月中旬~6月中旬
- 温地(四国・九州等):5月上旬~6月上旬
スイカのおすすめの品種は赤こだま
スイカにはおおきくわけて、小玉スイカと大玉スイカの種類があります。
大玉スイカは呼び名からわかるように、果実がおおきくそだつのが特徴です。
そのため、着果から収穫までの期間がながくなります。
栽培期間がながくなるため難易度もあがりますので、初心者の方には小玉スイカをおすすめします。
赤こだま(小玉スイカ)
むかしから食べられている小玉スイカの代表品種です。
果実の重さが2kgほどで、さっぱりとした甘さがかんじられ食べやすいのが特徴です。
甘すぎないため、1玉では物足りなくて、もっと食べたくなる品種です。
着果がよく収穫量がおおいため、たくさん食べられます。
ひとりじめ(小玉スイカ)
果実の重さが2~2.5kgほどで、甘みがつよい品種です。
着果性にすぐれているため育てやすく、ツルも長もちするので収穫量がおおいのが特徴です。
果皮はうすめですが、つよいため栽培中のさくれつや輸送中にわれることがありません。
夏武輝(大玉スイカ)
カブキとよみます。
昔ながらのスイカの味といわれることがおおく、懐かしい味がする品種です。
果実の重さは6~8kgありますが、 中身が空洞化することがなくギッシリと実がつまって、ジューシーで甘みがつよいのが特徴です。
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スイカの育て方と栽培のポイント
手順1.元肥を少なめに土作りをしよう!
元肥が多いとツルばかりのびてしまい、実がつきにくいツルボケになりますので、少なめにほどこしましょう。
- 植え付け2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり150gまき深さ30cmくらいまでよく耕します。
- 植え付け1週間前に、1㎡あたり堆肥3kgと化成肥料50~80gをまいて、土とよくまぜます。
- 幅2.5m、高さ15cmほどの畝(うね)をつくりポリマルチを敷きます。水はけが悪い畑では畝をもっと高めにします。
・ 銀線入りマルチとは?
銀線入りマルチは、透明や黒のマルチに銀色の線がはいっていて、アブラムシなどの防虫効果があります。
園芸店やインターネットでも販売されています。
手順2.深植えに注意して苗を植え付けよう!
植え付けまえの準備として、前日に株間が1mになるようにカッターで十字に切れ込みをいれるか、市販の穴あけ機をしようして植え穴をあけます。
あけた植え穴へたっぷりと水をあげましょう。
そして、当日に植え付けをおこないます。
- 植え付け前に、植え穴の深さをみるためにポットのまま穴にいれて深さを確認します。
- 根鉢をくずさないように、苗をポットから抜きとり植え付けます。このとき、根鉢の上面と畝の面がおなし高さに植えましょう。
- 苗のまわりに浅く溝をつくり、水が根にしみこみやすくします。
- 植え終わったら、苗をおちつかせるていどに根元へ軽く水をかけます。
苗を深く植えてしまうと、穂木のほうから根がでてしまい接ぎ木の効果が失われてしまうので、注意してください。
台木であるカボチャやユウガオなどのツルがのびてきたら、栄養をうばわれないためにも摘みとりましょう。
・ マルチ穴あけ機とは?
マルチ穴あけ機は、刃先がギザギザしていて、マルチに押し当てると丸くマルチが破りとられてキレイな植え穴ができます。
スコップで穴をあけても良いですが、植え穴が狭いと日光をさえぎって発芽しなかったりすることがあるので、初心者の方はマルチ穴あけ機をおすすめします!
これは、園芸店やインターネットでも販売されています。
手順3.水やりは成長段階で変えよう!
スイカは、植え付けから収穫までのあいだで成長によって水やりをかえます。
- 着果までは、水やりのひつようはなく自然の雨で大丈夫です。
- 着果後は、土のじょうたいをみて乾いたら、こまめに水やりをおこないます。
- 収穫の2週間前からは、水やりはやめて乾燥気味にします。
手順4.親ヅルは6節目で摘心し子ヅルを3本残す。
果実を大きく育てる為に、ツルを調整します。
- 親ヅルは、6節目で摘芯します。
- そして、勢いのよい子ヅルを3本のこして他はとりのぞきます。
- 孫ヅルは、すべてとりのぞきましょう。
手順5.ツルが伸びたら敷きわらをしよう!
スイカのツルがのびはじめたら、ツルのしたに敷きわらをします。
敷きわらは成長にあわせて広くしていきましょう。
手順6.午前中に人工受粉をしよう!
スイカの雌花は数がすくないため、虫やハチなどの自然な受粉では全く果実がならなかったということもよくあります。
なので、人工授粉をおこなって確実に受粉させましょう!
雄花の花粉は早朝にさいてから4~5時間しか寿命がないので、午前中に人工授粉をおわらせましょう。
- 雄花をつみ、花弁をとりさって雌花の柱頭に転がすように花粉をつけます。
- 受粉がおわったら、収穫の目安になるように日付を記入したラベルをつけます。
- 茎がしげってくると、果実の場所がわからなくなるので目印の棒をたてておきましょう。
- 着果したら、親ヅル・子ヅルの元のほうについた雌花は摘みとります。
手順7.追肥は1番果がピンポン大になった頃に1回のみ
1番果がピンポン玉のおおきさになったら、化成肥料を1㎡あたり20~40gで追肥します。
株元から、50cm~1mはなしてマルチに棒で穴をあけてほどこします。
追肥は、この1回のみです。
追肥の回数をふやしてしまうと成長がわるくなり果実のあまみがなくなりますので注意しましょう。
手順8.1本のつるに2個の実を残して残りは摘果しよう!
果実を成長させて養分をあつめるために、1本のつるに2個の果実をのこして、のこりは摘果しましょう。
すべての果実をのこしてしまうと、ちいさくなって甘みもましません。
手順9.手のひらサイズになったら玉直しをしよう!
スイカは地面にそって成長するため、地面にせっしている果実の部分は日があたらなく色がまだらになってしまいます。
そのため、果実が手のひらサイズになったら日当たりをかえるように動かします。
これを玉直しといいます。
ただし、いきおいよく果実をうごかすとヘタからとれてしまいますので慎重におこないましょう。
もし、果実が土にふれているようならば病気にならないように敷きわらをひきます。
スイカの収穫時期と収穫方法
スイカの収穫時期
栽培地によって、収穫時期がことなります。
- 寒冷地(東北等) : 8月中旬~9月下旬
- 温暖地(関東等) : 7月中旬~8月下旬
- 温地(四国・九州等): 7月中旬~8月中旬
巻きひげが枯れたら収穫しよう!
スイカは花が咲きはじめてから、35日くらいで収穫時期をむかえます。
そのころになると、果実がついているところからでている巻きひげが枯れて、果実をたたくとにぶい音がしはじめます。
これが収穫のサインです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「失敗しないスイカの育て方!肥料や摘芯・受粉など栽培のコツ」を紹介してきました。
ツルの整理や人工授粉のポイントをしっかり押さえておけば、初心者のあなたでも美味しいスイカを作ることができますよ^^
【植え付け時期】
栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月下旬~6月下旬
- 温暖地(関東等) : 5月中旬~6月中旬
- 温地(四国・九州等): 5月上旬~6月上旬
【植え付け方】
株間1mで畝に穴をつくり植え付けます。
元肥がおおいとツルボケになるので、土作りの時点で元肥をすくなめにします。
【水やり】
根付くまでしっかりと水をまきます。
根付いたら、自然の雨でOK。
ただし、成長によって水やりをかえる必要があります。
- 着果までは、水やりのひつようはなく自然の雨でOK。
- 着果後は、土のじょうたいをみて乾いたら、こまめに水やりをおこないます。
- 収穫の2週間前からは、水やりはやめて乾燥気味にします。
【ツルの整理】
果実を大きく育てる為に、ツルをちょうせいします。
親ヅルは、6節目で摘芯します。
勢いのよい子ヅルを3本のこして他はとりのぞき孫ヅルは、すべてとりのぞきます。
小玉スイカのばあいは、勢いのある子ヅルを5本のこします。
【人工授粉】
確実に受粉させるために、午前中に人工授粉をおこないます。
【敷きわら】
ツルがのびはじめたら、敷きわらをひきます。
成長にあわせてひきましょう。
【追肥】
1番果がピンポン玉のおおきさになったら、化成肥料を1㎡あたり20~40gで追肥します。
株元から、50cm~1mはなしてマルチに棒で穴をあけてほどこします。
追肥はこの1回だけです。
【玉直し】
果実が手のひらサイズになったら、玉直しが必要です。
【収穫】
収穫時期も栽培地でことなる。
巻きひげが枯れて、たたくとにぶい音がすれば収穫のサイン。
- 寒冷地(東北等) : 8月中旬~9月下旬
- 温暖地(関東等) : 7月中旬~8月下旬
- 温地(四国・九州等): 7月中旬~8月中旬