野菜の育て方

【初心者向け】ナスの上手な育て方!肥料や支柱のたて方など栽培のコツを詳しく紹介

煮ても良し、焼いても良しの夏の定番野菜ナス。和食にも洋食にも幅広くつかわれています。

ナスに含まれる成分は、ガン・動脈硬化・高血圧などの生活習慣病の予防にも期待され、注目されています。

また、水分も多く体を冷やす作用もありますので、これから始まる熱い夏をのりきるためにもおススメの野菜です。

そんなナスの栽培ですが、 梅雨の時期になると雨にうたれて葉が病気になりやすく、枯れてしまうことが多々あります。

しかし、ある対策を行えば病気にかかりにくく、初心者のあなたでも上手にナスを育てる栽培のコツがあるので、解説していきますね!

では早速、ナスの育て方と栽培のコツを

  • ナスの栽培の特徴
  • 梅雨に入る前におこなう病気の予防策
  • おすすめの品種
  • 植え付け~収穫までの作業のポイント

にわけて、説明していきたいと思います。

ぜひ、栽培のコツをつかんで美味しいナス作りを楽しんで下さいね^^

ナスの栽培の特徴とコツ

ナスの栽培の特徴

ナスの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪

ナスの栽培の特徴

栽培難易度:★★☆☆☆
分類:ナス科
種まき時期:2月中旬
収穫時期:6月中旬~10月下旬
発芽適温:20~30℃
生育適温:16~28℃
好適土壌pH:6.0~6.5(弱酸性)
連作障害:連作不可。3~4年あけましょう。

ナスを種から育てる場合には、育苗に施設が必要で育苗期間も長くなります。

そこで、種から育てるのではなく、苗を購入することをおすすめします。

その際、病気に強い接ぎ木苗を選ぶようにしましょう。

最近、ホームセンターでもナスの苗が販売されています。

その土地土地にあった苗を、お店は仕入れて販売しますので、購入する際には「 一番近いお店で購入する 」ことをおすすめします。

【栽培のコツ】梅雨前に敷きわらをすること!

雨滴の跳ね返りで、葉が病気にならないように梅雨前に敷きわらをします。

この時、最初から厚く敷くと地温がさがりますので、最初は地面がみえるくらいに薄く敷いて気温が上がってきたら、厚くしきましょう。

ことさん
ことさん
もし、ご近所へ敷きわらが飛ぶことを気にされている場合は、スダレで代用することも出来ます。

スダレは紐で結ばれていますので、飛んでいく心配はありません。 

ナスのおすすめの植え付け時期は5月上旬~6月下旬

ナスの栽培カレンダー

ナスの苗は、寒さに弱く霜(しも)にあたったり風にゆすられると生育に影響します。

そこで、遅霜や春一番といった強風の心配がなくなり、気温が上がっていく5月上旬から植え付けます。

4月中旬ごろから、ナスの苗も店頭に並ぶようになりますが、それに合わせて急いで畑を用意したり、植え付けることはおすすめしません。

ナスにとって良い条件で植えた苗は、早く植えてしまった苗を追い越して成長します。

早く購入してしまった苗は、軒下などにおいて植え付けまでの間、水をあげながら成長を見守り畑の準備をすすめましょう。

苗を購入する際のポイントは、出来るだけ葉が大きくて太い茎の苗に注目して下さい。

一見、茎が細くて長くのびているほうが、良く育ちそうにみえますが成長のスピードに違いがでます。

ナスのおすすめの品種は千両2号

ナスには実の形から、長ナス・中長ナス・小ナスとおおまかに3種類の品種があります。

それぞれの品種から1つずつ、おすすめを紹介します。

千両2号(中長ナス)

ナスでは、一番有名な定番の品種です。

育てやすく果皮は柔らかく品質がよいため、ほとんどのナス料理で利用可能です。

スタミナがある品種のため、実が大きく育つ時間がはやく長期間収穫ができます。

飛天長(長ナス)

暑さに強く、育てやすい品種です。

長期間収穫ができます。

果肉は柔らかくツヤのある濃紫色で胴がふとい為、焼きナスに好まれます。

ごちそうなす(小ナス)

甘味がつよくジューシーなため、生でも食べられます。

アクが少なくサラダ料理に最適です。

しかし、実のヘタや茎にあるトゲは一般のナスより強いため、栽培や収穫時にはテブクロ等で保護しましょう。

スポンサーリンク




ナスの育て方と栽培のポイント

手順1.植え付け2週間前に土作りをしよう!

ナスは寒さによわいので、マルチを敷いて地温を高めましょう。

ナスの畝つくり
  1. 土石灰を1㎡あたり150gまき、深さ30cmくらいまでよく耕しておきます。
  2. 植え付け1週間前に、1㎡あたり堆肥4kgと化学肥料100g、溶成リン肥50gをまき耕します。
  3. 幅1.2m、高さ10cmほどの畝(うね)をつくりポリマルチを敷きます。
  4. 植え付け前日に、株間60cmで千鳥にポリマルチに穴をあけます。この時、カッターで十字に切れ込みを入れるか、市販の穴あけ機を使用します。
  5. 植え穴を掘り、前日にたっぷり水をやっておきましょう。

ことさん
ことさん
ポリマルチには、アブラムシの嫌う銀線入りのフィルムをおすすめします。

・銀線入りマルチとは?

銀線入りマルチは、透明や黒のマルチに銀色の線が入っていて、アブラムシなどの防虫効果があります。


・マルチ穴あけ機とは?
マルチ穴あけ機は、刃先がギザギザしていて、マルチに押し当てると丸くマルチが破り取られてキレイな植え穴ができます。

スコップで穴をあけても良いですが、植え穴が狭いと日光を遮って発芽しなかったりすることがあるので、初心者の方はマルチ穴あけ機を使うのをおすすめします!

立ったまま穴をあける、腰が痛くなりにくいタイプの穴あけ器もありますよ

いずれも、園芸店やインターネットでも販売されています。

手順2.苗を植え付けよう!

  1. 植え付け前に、植え穴の深さをみるためにポットのまま穴にいれて深さを確認します。
  2. 根鉢を崩さないようにポットから苗を抜きとり、植え穴に植えます。
  3. 植え終わったら、根元に軽く水をかけて土を落ち着かせます。この時、根株から少し離れた場所に、水やりのための浅い溝をつくります。

深く植え付けをすると根つきが遅くなりますので、ポットに植えられていたときの深さくらいに植え付けましょう!

接ぎ木苗の場合は、接ぎ口が土中に埋まらないように注意します。

ことさん
ことさん
ニラの根には、ナスの根について茎や葉を枯らしてしまう伝染病菌を寄せつけない菌がすみついているので、ナスの根元にニラを植えると病気から守れます。

手順3.仮支柱やあんどんを立て苗が傷まないように保護しよう!

  1. 仮支柱を立て、苗が風で揺すられ傷つかないようヒモで8の字にむすびます。
  2. 苗を保護するために、肥料袋やゴミ袋などの底を抜いたものをあんどんのように立てます。
ことさん
ことさん
吹き出しの内容 ペットと暮らされている方は、使い切ったトイレシートの袋の底を抜けば、あんどんとして利用できます。畑のワンポイントになります♪

手順4.水やりは自然の雨でOKだが乾き過ぎに注意!

ナスは乾燥に弱いので、夏が近づいてきて雨がふらなくなってきたら、地面が乾燥しないように水をあげましょう。

手順5.支柱は3本仕立てが基本!

  1. 気温が上がり、苗が大きくなったら1m程の本支柱を立てます。
  2. 本支柱は根元から数cm離して垂直に立てます。
  3. 主枝と支柱を、麻ヒモなどで8の字にむすんで誘引します。
  4. 一番花(主枝について1番早く咲く花)がついている主枝と、その下から出ている側枝(わき芽)を2本残して、3本仕立てとします。
ことさん
ことさん
枝葉が込まないようにするには、主枝とその下の側枝を1本だけ伸ばして、2本仕立てにしてもよいです。

接ぎ木苗で使用される台木は、穂木であるナスより樹勢が強くなります。

ナスの生育に影響が出ますので、地際から台木の芽が伸びてきたら、できるだけ小さいうちにとりましょう。

手順6.敷きわらをして追肥をしよう!

  1. 雨滴の跳ね返りで、葉が病気にならないように梅雨前に敷きわらをします。
  2. 植え付け1ヶ月後から月に1回の割合で、化成肥料を1㎡あたり30gくらい追肥します
  3. 追肥のさいには、棒でマルチと畝に穴をあけてほどこしましょう。

※敷きわらをするとき、最初から厚く敷くと地温がさがりますので、最初は地面がみえるくらいに薄く敷いて気温が上がってきたら、厚くしきましょう。

※極端に地面が乾いてしまったときには、水やりを兼ねて500倍くらいに薄めた液体肥料を通路に流しましょう。

手順7.雄しべが短い花は摘花しよう!

栄養不足や、地面が乾きすぎると雄しべの成長が悪くなり、石ナス(大きくならない実)ができます。

追肥や水やりを行い、早めに摘み取りましょう。

ナスの収穫時期と収穫方法

ナスの収穫時期

ナスの収穫期間は、6月下旬~8月下旬です。

  • 寒冷地(東北等)  : 7月中旬~8月下旬
  • 温暖地(関東等)  : 6月下旬~8月中旬
  • 温地(四国・九州等): 6月下旬~8月上旬
ことさん
ことさん
 暑さとハダニなどの発生で樹勢が弱まる7月下旬ごろに、枝を切り戻す更新剪定(こうしんせんてい)をしてあげると、9月~10月まで秋ナスが収穫できますよ^^ 

★秋ナスの更新剪定方法は、下の記事にまとめてあります。

美味しい秋ナスの栽培しよう!株の剪定方法を図解で詳しく説明

秋ナスは夏ナスより甘みがまし、とても美味しくなります!

更新剪定の仕方もとても簡単なので、秋ナスにチャレンジしましょう♪

枝ごと収穫して草丈の管理を簡単に!

収穫には2つの方法があります。

一般的に行われているのは実だけを収穫する方法です。

一方、枝ごと収穫する方法があります。

この方法では、草丈が高くならないので、枝が垂れることがすくなく、管理もしやすくなります。

苗が小さなうちは、実を大きくさせずに小さめのものを収穫しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「ナスの上手な育て方!肥料や支柱のたて方など栽培のコツ 」を紹介してきました。

病気の予防策や害虫対策をしっかりと押さえておけば、初心者のあなたでも立派で美味しいナスを作ることができますよ^^

ナスと水分補給で、これから始まる熱い夏をのりきりましょう。

ナスの栽培のまとめ

【植え付け時期】
5月上旬~6月下旬

【植え付け方】
株間60cmで千鳥に植え穴をつくり植え付ける。

【水やり】
根付くまでしっかり水をまく。根付いたら、自然の雨でOK。地面が乾いたら水をまく。

【敷きわら】
梅雨前に、雨滴の跳ね返りで葉が病気にならないように、敷きわらをする。

【追肥と仮支柱】
植え付け1ヶ月後から月に1回の割合で化成肥料を追肥する。苗が大きくなるまで、仮支柱とあんどんで保護する。

【摘花】
雄しべが短い花は摘花する。追肥と水やりをする。

【支柱立て】
苗が大きくなったら、3本仕立てで支柱を立てる。

【収穫】
収穫期間は6月中旬~10月下旬で、手のひらサイズになったら収穫する。

【秋ナスの更新剪定方法】
秋ナスの更新剪定方法は、下記事参照。
美味しい秋ナスの栽培しよう!株の剪定方法を図解で詳しく説明