萎凋病の野菜被害対策！７つの防除方法や予防＆治療効果のある農薬も紹介

これから夏に向けてスクスクと育っていくなかで、葉が根元から黄色く枯れていき成長が悪くなることがあります。

それは、萎凋病（いちょうびょう）といって根と種子から感染する植物の病気です。

そのまま対策をせず放置していると、葉と茎が全て枯れて病気が次々と他の株へ広がってゆき野菜が全滅してしまいます。

しかし、ある７つの対策をおこなえば、萎凋病の被害にあわずに、初心者のあなたでも上手に美味しい野菜を作ることができますので、紹介していきますね。

そこで、萎凋病の野菜被害対策を

• 被害になりやすい野菜の種類
• 被害の特徴と様子
• 発生の時期と場所
• ７つの予防や対策方法とポイント

にわけて、説明していきたいと思います。

年間で約４０種類の野菜を作り、家庭菜園歴１２年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね＾＾

萎凋病の野菜被害の特徴

萎凋病が発生しやすい野菜

萎凋病は、おもにナス科で多く発生します。

萎凋病の原因と伝染経路

萎凋病は、カビの一種である糸状菌で起こります。

この菌は、根に出来た傷口やセンチュウによってあけられた穴から野菜に入ります。

野菜の根には、維管束という養分を野菜全体に運ぶ機関があります。

根から侵入した菌は、この維管束を通って下から上に上がります。

さらに、種子にくっついた菌から種子感染する場合もあります。

萎凋病は、１９～２９℃の気温で発生がおおくなります。

逆に、気温が１８℃以下で３０℃以上になると発生しなくなります。

蒸し暑くて湿度が多い状況で、もっとも活発に動きますので梅雨時期は要注意です。

萎凋病の被害の特徴と様子

萎凋病に感染すると、栄養が野菜全体に届かなくなります。

そのため、野菜の下葉から徐々に黄色くなって枯れていきます。

この状態が続いてくると、最後は全ての葉と茎が枯れてしまいます。

また、萎凋病の菌が土の中にいるため、そこで新しい野菜を植え付けた場合に同じように根から侵入をはじめます。

萎凋病の７つの対策・防除方法

萎凋病の対策には、７つの方法があります。

• 被害がでた葉は焼却処分する。
• 収穫後の株も除去して処分する。
• 連作をさけて太陽熱消毒で消毒をする。
• 野菜を弱らせないこと。
• カニ殻で土壌改良をする。
• コンパニオンプランツを利用する。
• 農薬を使用する。

対策１．被害がでた葉は、必ず焼却処分しましょう！

被害がでた葉は、見つけ次第つみとります。

そして、葉だけではなく落ち葉も含めてしっかりと焼却処分してください。

畑の片隅にまとめておいておくことは厳禁です。

別の野菜で被害が出てしまいます。

対策２．収穫がおわった後の株も除去して処分しよう！

萎凋病に感染した株は、どこまで菌が回っているか分かりません。

そのため、収穫が終わった株も根ごとしっかりと抜いて処分しましょう。

そのさい、畑に放置しないようにしてください。

そこから、萎凋病の菌が発生する可能性があります。

対策３．連作をさけて、太陽熱消毒をしましょう！

連作をしてしまうと、萎凋病の発生頻度があがります。

そのため、連作した場合や病気が蔓延してしまった場合には「太陽熱消毒」を行います。

太陽熱消毒は、次の方法でおこないます。

実施する時期は、真夏の高温下で晴れの日が続くときが最適です。

• 元肥をまいて、土とよくまぜます。
• 畝（うね）をつくって、水をたっぷりまきます。
• 透明なマルチを、畝ピッタリにしてしきます。
• １ヶ月ほど、放置します。

透明のマルチをとれば、作業は完了です。

対策４．株を弱らせない栽培に心がけよう！

萎凋病は、土壌の状態が悪いと発生しやすくなります。

そのため、次の４つを実践することで予防できます。

• 土の水はけを良くすること
• 畝（うね）を高く作ること
• 密植や枝葉の盛りすぎを避けて風通しを良くすること
• 多肥や肥料不足に気をつけること

対策５．カニ殻を利用して、天敵の放線菌を増やそう！

放線菌は、普段から土の中にいる菌です。

この菌は、野菜には悪影響を及ぼしません。

しかし、放線菌は萎凋病の原因となる糸状菌にとっては天敵です。

そして、カニ殻を土に混ぜることによって放線菌が増加します。

そのため、植え付けの１週間前にカニ殻１握りを土と混ぜておけば、萎凋病を防ぐことができます。

カニ殻は、園芸店やインターネットでも販売されていますので簡単に購入することができます。

対策６．コンパニオンプランツのニラで菌を撃退しよう！

ニラの根に元々住み着いている菌が出す抗生物質が、糸状菌の増殖を抑える効果があります。

そのため、植え付ける苗の根元にニラを一緒に植えておけば、萎凋病から根を守ってくれます。

対策７．萎凋病の防除には「GFベンレート水和剤」が有効です。

この農薬は、予防効果と治療効果を兼ね備えており、広範囲に効果があります。

そのほか、土づくりの味方「放線菌」を増やす下記の商品も有効です。

• カニ殻
• ツムランド

まとめ

いかがでしたか？

今回は、「萎凋病の野菜被害対策！７つの防除方法や予防と治療に最適の農薬も紹介」を紹介してきました。

処置をおこたるとせっかく精魂込めてつくった野菜が、全滅してしまいます。