夏の定番野菜のひとつ、枝豆。
採りたての枝豆は、スーパーで売っているものと比べ物にならないくらい風味がよく、おいしいですよね~
枝豆の栽培は、害虫にさえ気をつければ初心者のあなたでも簡単につくることができますよ!
では早速、 枝豆の育て方と栽培のコツを
- 栽培時期
- 土作りや連作障害について
- おすすめの品種と種まきの仕方
- 苗の育て方と植え付け方法
- 植え付け~収穫までの作業のポイント
にわけて説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
ぜひ、今年は採りたての風味豊かな枝豆を味わってみてくださいね♪
枝豆の栽培の特徴とコツ
枝豆の栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
- 栽培難易度:★★☆☆☆
- 分類:マメ科
- 種まき時期:4月~6月
- 収穫時期:6月~8月
- 発芽適温:25~30℃
- 生育適温:20~25℃
- 好適土壌pH:6.0~6.5(弱酸性)
- 連作障害:あり。2~3年同じところでは栽培できない。
枝豆は、 実は大豆になる前の未熟な豆を収穫したものです。
なので、品種によっては枝豆で楽しんだ後、熟させて大豆として収穫することもできますよ。
普通の枝豆だけでなく、茶豆や黒豆など様々な品種があり、栽培期間も様々です。
栽培方法のコツとしては、
根についた根粒菌が自ら栄養を作り成長するので、 肥料は少なめにあげましょう。特に チッ素肥料が多いと葉がしげり実のつきが悪くなります。
また、 苗を移植すると花が咲き方がそろい、実の入りがよく枝豆がたくさん採れます。なので、ポットに種をまき苗を作って植える移植栽培がおすすめです!
もし、畑に直接種をまく時は、 鳥に種を食べられないように不織布(ふしょくふ)などを畝にかぶせて対策しましょう。
あとは、カメムシやアブラムシによる害虫対策ですが、 枝豆の甘い汁を吸ってしまい味が悪くなるので、防虫ネットを使って予防します。無農薬栽培で収穫できるのでオススメです!
- 根粒菌が自ら栄養を作り出すので、肥料(チッ素)は少なめにする。
- 種をポットに移植栽培すると、実の入りが良くなる。
- 畑に直蒔きする場合は、鳥外対策に不織布(ふしょくふ)を畝にかぶせておく。
- 防虫ネットを使用し、カメムシやアブラムシなどの害虫を予防する。
枝豆の栽培時期
枝豆の栽培時期は、次の栽培カレンダーを参考にしてください。
種まき時期
種蒔き時期は、一般的に4月の中旬~6月の上旬で田植え時期まで種まきが可能です。
- 寒冷地・・・4月の下旬~6月の中旬
- 温暖地・・・4月の上旬~5月の下旬
と種まきが可能です。
晩生の品種になると、7月上旬にまけるものもあります。
早生~晩生の品種を上手に使って栽培時期をずらし、長い間収穫していきましょう!
収穫時期
一般的な収穫時期は7月中旬~8月中旬で、お盆まで収穫できます。
早生種は70~78日程度、中早生種は80日程度、中生種は85日程度、晩生種は110~120日程度が収穫期となります。
収穫せずに、葉や茎が枯れるまでそのままにしておけば、大豆として収穫することもできます。
枝豆の土作り・連作障害について
土作り
- 植え付けの2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100gまき、深さ30cmくらいまで耕しておく。
- 植え付けの1週間前には、1㎡あたり堆肥1kgと化成肥料100gをまき、土とよく混ぜる。
- 幅70cm、高さ10cmの畝を作り、マルチをかぶせておく。
枝豆などのマメ科の植物は、根に根粒菌を宿し、空気中のチッ素を固定して自ら栄養分を作ることができます。
そのため、チッ素肥料が多いと葉がよく茂り、莢(さや)のつきが悪くなったり、丈が大きくなりすぎて倒れてしまいます。
チッ素成分の少ない肥料を使用しましょう!
●シルバーマルチ
シルバーマルチは光を反射するので、アブラムシなどが逃げていく優れたシートです。防草効果も高く、地温の温度を保つ効果もあるため、必要以上に地温をあげたくない作物にも有効です。
園芸店で購入できますが重いので、家まで届けてもらうのがおすすめです!インターネットでも購入できます。
●銀線入りマルチ
銀線入りマルチは、透明や黒のマルチに銀色の線が入っていて、シルバーマルチと同じようにアムラムシなどの防虫効果があります。
こちらも園芸店、またはインターネットで購入できます。
●枝豆に最適な肥料
エダマメ・インゲン・エンドウなどマメ科の野菜に最適な肥料です。有機肥料やぼかし肥料からできていて、元肥や追肥として使えます。
こちらは、園芸店等ではあまり見られません。インターネットで販売されています。
連作障害について
枝豆は連作障害があるので、2~3年は同じ場所に植えないようにしましょう。
枝豆のおすすめな品種と種まきの仕方
おすすめな品種
枝豆の品種はたくさんありますが、選び方としては夏の間長く楽しむために、 「早生・中生・晩生」の3つの植え付け時期の違う品種を選ぶとよいでしょう。
あじみのり(早生)
早生品種は普通の枝豆がほとんどで、その中でも「あじみのり」がおすすめです! 甘みが強く独特の香りがあり、風味豊かなエダマメです。
播種後78日程度で収穫ができる白毛の早生種で、株全体に莢がたくさんつき、初心者の方でも作りやすい品種です。
湯上がり娘(中早生)
さやも実も爽やかな緑色ですが、茶豆によく似た風味が味わせることで人気です!
茶豆特有の香りとショ糖を多く含むので、食味抜群の品種です。
丹波黒大粒大豆(晩生)
晩生の黒豆種で、風味が独特で味が濃く、私の一番のお気に入りの品種です。
5月の下旬から7月の頭まで種をまくことができます。
枝豆で収穫せずに枯れるまで放置しておけば、黒大豆が収穫できます。正月の煮物にもおすすめです!
種のまき方(ポット蒔き)
枝豆はポットにタネをまき、苗を植え付ける移植栽培がおすすめです!移植栽培をすることで、花の咲き方がそろい実の入りが良くなります。
- 3号ポット(直径9cm)に、畑の土または育苗土を6分目まで入れます。
- 2~3粒のタネを離して置きます。
- タネを置いたら、ポットの8分目まで土をかぶせ手で優しく押さえます。
- タネをまいた後は、たっぷり水をやります。
●育苗土とは?
育苗土とは、種まき専用の土で、ポットにタネをまき苗を育てるときに使います。
土の粒が細かく、通気性や保水性に優れ、堆肥を中心とした肥料が配合されています。
発芽しやすく元気な苗を育てることができますよ!
お値段は、プランター用の栽培土より高めですが、 初心者の方は育苗土を使った方が失敗が少ないのでおすすめです。
園芸店やホームセンター、インターネットで販売されています。
●3号ポットとは?
3号ポットは、園芸店やホームセンターなどで100枚単位で販売されています。値段は150円~300円ほどです。
100枚と聞くと多く感じますが、他の作物の苗作りにも使えますし、消耗品なので買って困るものではありません。
種のまき方(直蒔き)
直接畑にタネをまく場合は、鳥害を防ぐために不織布(ふしょくふ)を畝にかぶせておきましょう。
- 株間15~20cmで、1か所2~3粒ずつタネをまき、3cm土をかぶせ優しく手で押さえます。
- タネをまいた後は、たっぷり水をやります。
●マルチ穴あけ機とは?
マルチ穴あけ機は、刃先がギザギザしていて、マルチに押し当てると丸くマルチが破り取られてキレイな植え穴ができます。
スコップで穴をあけても良いですが、植え穴が狭いと日光を遮って発芽しなかったりすることがあるので、初心者の方はマルチ穴あけ機を使うのをおすすめします!
ホームセンタやインターネットでも販売されています。
●不織布(ふしょくふ)とは?
不織布は、繊維の目が細かく防虫や保温、霜よけなどに良く使われます。
特に、 種まきから発芽するまでの間や、葉物野菜の防虫対策にとっても活躍するものなので、 持っておくと便利ですよ^^
枝豆の栽培法と育て方のポイント
苗の育て方と植え付け適期
- 種まき後、芽が出るまで毎日水をたっぷりやります。水の量が少ないと発芽しないことがあります。
- 発芽後、子葉が出たら3本の場合は2本に間引きます。
- 本葉が2枚になったら植え付け適期です。
植え付け方法
- マルチをしている場合は、マルチに穴を開け植え付けます。マルチ穴あけ機を使うと便利です。
- 畝に2列ずつ、株と株の間が15~20cmになるように植え穴を開けます。
- 優しくポットから苗を外し、植え穴に入れ周りの土を寄せて軽く手で押さえます。
- 植え付け後は、たっぷり水をあげておきましょう。
- カメムシやアブラムシの被害を防ぐために、防虫ネットをしておきましょう。
●防虫ネットとは?
防虫ネットは、細かい網目状に編まれたネットで、栽培している作物にトンネル状にかぶせることで、害虫の防除を行うことができます。
編み目が1ミリ以下で、銀テープの入っているものはアブラムシも防除することができ、無農薬栽培などにもおすすめです!
太陽の光や水は通すので、長期間つけておいても大丈夫ですよ。
園芸店やインターネットでも購入できます。
間引き(直蒔きの場合)
畑に直接タネをまいた場合は、間引きを行います。
- 子葉がでたら、大きく元気な芽を2本ずつ残し間引きます。
- 2本にしたら、軽く土寄せをしておきましょう。
抜くときは、残すの芽が一緒に抜けないよう注意しながら抜きましょう。
水やり
枝豆の苗を畑に植え付けた後は、根付くまで毎日水やりをします。
根づいたら、自然の雨で大丈夫です。
ただ、 開花以降は乾燥に弱くなり乾燥し過ぎると逆に身なりが悪くなります。日照りが続く場合は、適度に水をやりましょう。
土寄せと追肥
- 本葉3枚の頃に、最初の土寄せを行います。
- 花が咲き始めた頃に、化学肥料を1㎡あたり30g追肥し、土寄せします。
枝豆は、チッ素成分が多いと葉が茂ってしまい実がつかず収量が減ってしまうので、カリ成分の多い肥料を与えます。
摘心
摘心は、する必要はありません。
摘心して脇芽を増やし収穫率を上げる方法もありますが、とても手間がかかり大変です。そこで今回は、初心者の方でも簡単に栽培できるように摘心は行いません。
そのかわり、収穫量を増やすために2本ずつ植える方法を紹介しました。場所も節約できて2倍の収穫量が見込めます。
ただ、プランターや狭い場所での栽培は難しいので、その場合は本葉が5枚になった頃に摘心をすることをおすすめします。
枝豆の収穫方法
枝豆の収穫方法
- さやが十分にふくらんだら、株ごと抜き取って収穫します。
- 収穫後は鮮度が落ちやすいので、早めに茹でて食べましょう。
- 収穫が遅れると豆が固くなるので、8割程度ふくらんだら収穫しましょう。
- もし、実がふくらむのがそろわない時は、ハサミでふくらんだ豆から収穫してもいいです。
- さやから外した枝豆は急激に鮮度が落ちるので、収穫後はすぐに茹でるようにしましょう。
大豆といて収穫する場合
品種によっては大豆として収穫できるものもあります。特に黒豆は、正月の煮豆にさいてきです!
- 大豆として収穫する場合は、さやが枯れてカラカラになるまで放置し収穫します。
- 収穫直後は水分が多いので、十分に乾燥させてからさやから豆を取り出します。
- 取り出した大豆は、ジブロック等に入れ、高温多湿でないところで保管しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「枝豆の育て方!栽培時期や土作り・種まき・苗の植え方・肥料・摘心・収穫のコツ」を紹介してきました。
初心者のあなたでも、2本立て栽培なら摘心もしなくて良いので簡単に栽培できます。
枝豆で味わった後、大豆として楽しめる!そんな2倍美味しい枝豆の栽培にチャレンジしてみましょう♪
- 植え付け時期・・・一般的に4月の中旬~6月の上旬。
- ポット蒔きの仕方・・・3号ポット(9cm)に育苗土を6分目まで入れ、タネをまき8号目まで土をかぶせる。
- 植え付け方・・・畝に2列ずつ、15~20cm間隔に植え穴を作り植え付ける。
- 水やり・・・根付くまでしっかり水をまく。根づいたら、自然の雨でOK。
- 追肥と土寄せ・・・本葉が3枚のときに土寄せし、花が咲き始めた頃に追肥と2回目の土寄せを行う。
- 収穫・・・収穫時期は7月~8月で、さやが8割程度ふくらんだら収穫する。
- 大豆の収穫・・・さやがカラカラになってから収穫する。収穫後は良く乾燥させてから豆を取り出し、ジブロック等にいれ保存する。