冬野菜を代表する大根。
冬の寒い日には、おでんやお鍋に入った、味のしみたしみしみ、アツアツの大根はかかせませんね。
また、切り干し大根などで長期保存できるのも魅力の1つです。
そんな大根の栽培ですが、畑のたがやし方をまちがえたり防虫対策をおこたってしまうと、小さな大根しかできなくなってしまいます。
しかし、ある対策をおこなえば食べごたえのある太く実のしまった大根になり、初心者のあなたでも上手に美味しい大根を作ることができますので紹介していきますね。
そこで、大根の育て方と栽培のコツを
- 大根の栽培の特徴
- 太くながくそだてるコツ
- 防虫対策と肥料分配の注意点
- おすすめの品種
- 種まき~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
大根が大きくならない4つの原因と対処法
収穫の時期になって、大根をひっこぬいてみたら小さくてガッカリすることがあります。
大根が太く育ってくれない4つの原因があります。
- 原因1.耕し方が足りない
- 原因2.日照不足
- 原因3.肥料不足
- 原因4.株間が狭い
それぞれの原因と対処法を説明します。
原因1.耕し方が足りない
大根は、土のなかで真っ直ぐにのびていきます。
畑が十分にたがやされていないと、成長がわるくなります。
標準的な品種でも30cmくらい深く、たがやさなければいけません。
たがやす時に、石や土の塊もとりのぞきましょう。
原因2.日照不足
大根は、日当たりのよい場所でスクスクとそだちます。
日当たりが悪いと、葉の成長がわるくなります。
特に秋に種をまくばあいには、注意が必要です。
冬になるまえにシッカリと葉を成長させましょう。
原因3.肥料不足
葉っぱが成長するためには、肥料が必要です。
元肥と追肥をしっかりとほどこしましょう。
原因4.株間が狭い
大根の葉は、横にひろがりながら伸びていきます。
株と株の間(株間)が、せまいと葉をひろげることが出来ず、成長がわるくなります。
株間を30cmよりせまく植え付けないようにしましょう。
大根の栽培の特徴とコツ
大根の栽培の特徴
大根の栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★★★☆☆
分類:アブラナ科
種まき時期:3月中旬~4月下旬(春まき)8月上旬~9月下旬(秋まき)
収穫時期:5月中旬~7月中旬(春まき)10月上旬~11月下旬(秋まき)
発芽適温:25℃前後
生育適温:20℃前後
好適土壌pH:5.5~6.5
連作障害:連作不可。2~3年あけましょう。
【栽培のコツ】害虫対策として防虫ネットやレタスを一緒に植えよう!
苗がちいさいときから、色々な虫が大根にあつまります。
成長の妨げになるので、防虫ネットをトンネル掛けして苗を守りましょう。
大根のおすすめの種まき時期は、8月中旬~9月下旬
春まき・秋まきと栽培地によって、ことなります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) : 3月中旬~4月中旬
- 中間地(関東等) : 4月上旬~4月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月中旬~4月中旬
<秋まき>
- 寒冷地(東北等) : 8月上旬~8月下旬
- 中間地(関東等) : 8月中旬~9月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 8月中旬~10月中旬
大根のおすすめの品種は、夏の翼
夏の翼
夏の暑い時期に種をまいても、しっかり育つ品種です。
病気につよく曲がった根になりにくいのが特徴です。
秋の翼
そだてやすく、肉質がよい大根です。
根が太く大きくそだち、ス入りがおそいのが特徴です。
千都
寒さにつよいため、1月から2月に収穫できます。
寒さにあたると甘みがふえていき、低温下でも根が太く育つのが特徴です。
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大根の育て方と栽培のポイント
手順1.土作りは深くよく耕そう
大根が大きくならない原因1でも触れましたが、大根はよくたがやした土でスクスク育ちます。
大根栽培の最初の1歩で、だいじな作業です。
- 植え付け2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100gまき、深さ30cmくらいまで土をよくたがやします。
- 植え付け1週間前に、1㎡あたり完熟堆肥2kgと化成肥料100gを入れ、土とよく混ぜます。
- 幅60~70cm、高さ10cmほどの畝を立て、ポリマルチをしきます。
堆肥は完熟した堆肥を使います。
未熟の堆肥を使用すると、根が分かれた状態になってしまい成長がわるくなります。
・銀線入りマルチとは?
銀線入りマルチは、透明や黒のマルチに銀色の線が入っていて、アブラムシなどの防虫効果があります。
園芸店やインターネットでも販売されています。
手順2.種は30cm間隔に点まきしよう
種は、点まきという方法でまきます。
1リットル入りのペットボトルの底をつかう方法です。
- 30cm間隔で、ペットボトルの底を押し付けて凹みをつくります。
- 1ヶ所に、4~5粒の種を、間隔をあけてまきます。
- 種まきが終わったら、厚さ1~2cmほどに土をかけます。
- てのひらで軽くおさえます。
- 発芽まで、不織布をかけておきます。
もし、ポリマルチをしいているばあいは30cm間隔で植え穴をあけます。
この時、カッターで十字に切れ込みを入れるか、市販の穴あけ機を使用します。
・マルチ穴あけ機とは?
マルチ穴あけ機は、刃先がギザギザしていて、マルチに押し当てると丸くマルチが破り取られてキレイな植え穴ができます。
スコップで穴をあけても良いですが、植え穴が狭いと日光を遮って発芽しなかったりすることがあるので、初心者の方はマルチ穴あけ機を使うのをおすすめします!
園芸店やホームセンターで販売されています。
手順3.防虫ネットを張ろう
防虫対策として、防虫ネットでトンネルかけします。
ネットと土のあいだに隙間ができないように設置してください。
隙間があると、虫がはいってきます。
・防虫ネットとは
植物をおおって保護する資材です。虫が野菜によりつけなくなります。
これは園芸店やインターネットで販売されています。
手順4.水やりは自然の雨でOK
水やりは、自然の雨で問題ありません。
土が乾きすぎているばあいは、水をあげてください。
水のあげすぎも大根にとっては、成長をさまたげますので注意してください。
手順5.【間引き①】発芽がそろった頃
大根の間引きは、おこなう時期がとても大切です。
1回目の間引きは、発芽がそろってきて本葉がみえはじめた頃に1ヶ所3本にします。
手順6.【間引き②】本葉3~4枚の頃
2回目の間引きは、本葉が3~4枚になったら1ヶ所2本にします。
手順7.【間引き③・追肥①】本葉5~6枚の頃
3回目の間引きは、本葉が5~6枚になったら1本立ちさせます。
手順8.【追肥②・土寄せ】追肥1回目から20日後
最後の間引きがおわったら、1回目の追肥と土寄せをおこないます。
ポリマルチの有無で、追肥と土寄せの方法はことなります。
<ポリマルチなし>
1回目の追肥と土寄せは、つぎの手順でおこないます。
- 畝の肩に化成肥料を1㎡あたり30~50gをまきます。
- かるくたがやして、土を寄せます。
1回目の追肥から、20日後追肥と土寄せを同じ手順でおこないます。
<ポリマルチあり>
ポリマルチをしいている場合は、土寄せは必要ありませんが追肥は必要です。
- 1回目の追肥は、穴から手をさしいれて株から離れたところに化成肥料をばらまきます。
- 2回目は、葉がこみあってくるので株からすこし離れた場所のマルチに穴をあけて化成肥料をいれます。
大根の収穫時期と収穫方法
大根の収穫時期
春まき・秋まきと栽培地によって、ことなります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) : 6月初旬~7月初旬
- 中間地(関東等) : 6月初旬~7月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 5月中旬~6月中旬
<秋まき>
- 寒冷地(東北等) : 11月中旬~12月中旬
- 中間地(関東等) : 10月上旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 10月上旬~2月下旬
収穫時期は霜が降りる前がおすすめ!
下葉が横になり、中央の葉がたってきたら収穫のサインです。
この時期を過ぎてしまうと、老化現象がはじまりスカスカの状態になっていきます。
かならず、霜がおりるまえにおこないましょう。
霜にあたると、土から出ている大根の首の部分が凍って傷んでしまいます。
霜が降るまえに、収穫することをおススメします。
収穫後の大根の保存方法
収穫せずに大根に土を被せて保存する方法
大根を冬の間も畑においておきたい場合は、大根の首の部分が土にうまるように土をよせておきます。
穴を掘って収穫した大根を埋めて保存する方法
大根をぬいて葉をおとした後に、穴をほってうめておく保存法もあります。
雨にあたらないように、マルチでカバーしておくとよいです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「大根の畑での育て方!大きくならない原因や対処法などの栽培のコツ」を紹介してきました。
大根が大きくならない原因の対処法と防虫対策をしっかりとおこなえば、立派に実のしまった大根ができます。
【植え付け時期】
春まき・秋まきと栽培地によってかわります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) : 3月中旬~4月中旬
- 中間地(関東等) : 4月上旬~4月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月中旬~4月中旬
<秋まき>
- 寒冷地(東北等) : 8月上旬~8月下旬
- 中間地(関東等) : 8月中旬~9月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 8月中旬~10月中旬
【土作り】
熟成堆肥がおすすめです。
よく耕してください。
大根栽培で重要な作業です。
【種まき】
ペットボトルの底をつかって、点まきをします。
【防虫対策】
防虫ネットをトンネル掛けします。
ネットと土の間に隙間がないようにします。
【水やり】
自然の雨でOKです。
しかし、土が乾きすぎる場合は水を適度にあげます。
【間引き】
大根栽培で重要な作業です。
時期をおくらせずに、おこないましょう。
- 発芽がそろって、本葉が見えたら3本立ち
- 本葉が3~4枚で、2本立ち
- 本葉が5~6枚で、1本立ち
【追肥と土寄せ】
大根栽培で重要な作業です。
- 1本立ちしたら、1回目の追肥と土寄せを行います。
- 1回目から20日たったら、2回目をおこないます。
ポリマルチをしいている場合は、土寄せは必要ありません。
【収穫】
下葉が横になり、中央の葉がたってきたら収穫のサインです。
すが入るまえに、収穫します。
霜が降るまえには、かならず収穫しましょう。
【収穫時期】
春まき・秋まきと栽培地によって、ことなります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) : 6月初旬~7月初旬
- 中間地(関東等) : 6月初旬~7月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 5月中旬~6月中旬
<秋まき>
- 寒冷地(東北等) : 11月中旬~12月中旬
- 中間地(関東等) : 10月上旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 10月上旬~2月下旬
【保存方法】
- 大根の首まで全て土にうめる方法
- ぬきとって、土にうめる方法