春から初夏にかけて旬を迎えるアスパラガス。シャッキとした歯ごたえと独特の香りが食卓をより楽しいものにしてくれますね。
アスパラガスには、疲労回復に良いとされるアスパラギン酸、血行促進に効くルチン、貧血予防に大切な葉酸など、たくさんの栄養素が含まれています。
疲れが出やすい季節の変わり目にピッタリの野菜といえますね。
そんなアスパラガスの栽培ですが、収穫は植え付けから3年経ってから。
2年目までしっかりと株を育てなければ立派なアスパラガスに生長してくれません。
しかし、ある対策をおこなえば充実した株を育てることができ、初心者のあなたでも上手に美味しいアスパラガスを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、アスパラガスの育て方と栽培のコツを
- アスパラガス栽培の特徴
- 充実した株を作るためのコツ
- おすすめの品種
- 植え付け~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
アスパラガスの栽培の特徴とコツ
アスパラガスの栽培の特徴
アスパラガスの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★★★★☆
分類:キジカクシ科
植え付け時期:3月中旬~4月中旬
収穫時期:4月上旬~6月上旬
発芽適温:25~30℃
生育適温:15~20℃
好適土壌pH:6.0〜6.5
連作障害:連作可能
【栽培のコツ1】2年目までは収穫せず、株の充実させよう!
アスパラガスは多年草の野菜で、植え付けから収穫まで3年ほどかかります。
太くて甘いアスパラガスに育てるためにも、 2年目までは収穫せずに、根茎に養分をたっぷりと蓄えさせることがポイントです。
アスパラガスは背丈が高く生長するので、広めの栽培面積が必要です。
栽培期間中は植え替えはできないので、 はじめにきちんと作付け計画を立てておきましょう。
【栽培のコツ2】雄苗を植えて、細めで数をたくさん収穫できる!
アスパラガスには雄と雌の株があり、種をまくと半分が雄株、残りの半分が雌株になります。
どちらの株でも収穫はできますが、雄株のほうが細めで数をたくさん収穫できます。
雌株は太い芽が出ますが、雄株より数は少なめ。
収穫量を増やしたい場合は、雄株を植えるとよいでしょう。
アスパラガスのおすすめの植え付け時期は3月中旬~4月中旬
植え付け時期は、栽培地域によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 4月下旬~5月下旬
- 中間地(関東等) : 3月中旬~4月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月上旬~4月上旬
アスパラガスのおすすめの品種はウェルカム、メリーワシントン、シャワー
ウェルカム
病気に強く、生育のそろいがよい品種です。
濃い緑色が鮮やかで、茎が太くそろいます。
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メリーワシントン
萌芽数が多く、収穫量のよい早生種です。
茎は太く、形状もすぐれ、ホワイトアスパラガスの収穫にも適しています。
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シャワー
初期収量の多い早生種です。頭部のしまりがよく、茎は濃い緑色。
高温期の栽培にも向き、家庭菜園でも育てやすい品種です。
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アスパラガスの育て方と栽培のポイント
手順1.4号ポットに種を2~3粒ずつまこう!
種まきの時期は、中間地で3月上旬~3月下旬が目安です。
- 4号ポットに種まき用培土を入れ、種を2~3粒ずつまきます。
- 5mm程度薄く土をかぶせ、たっぷりと水を与えます。
- 乾燥させないために新聞紙をかけておきます。
4号ポットとは?
4号ポットは、直径12cmのポット。
ポリエチレン製の育苗用ポットは園芸店やホームセンターなどで購入することができます。
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アスパラガスは種から育てるほかにも、市販の大苗を購入し植え付けることもできます。
大苗はすでに数年間栽培された根株なので、植え付けの翌年から収穫をすることが可能です。
大苗は春(3月~4月ごろ)または晩秋(11月~12月)に植え付けるようにします。
手順2.草丈が10cmで、間引いて1本にしよう!
発芽後は新聞紙をはずし、草丈が10cmになったら間引きをして1本立ちにします。
手順3.間引き後追肥をしよう!
間引き後、ひとつまみ分くらいの化成肥料をポットにまきます。
手順4.2年目の春に、深く耕して土作りをしよう!
2年目の春になったら植え付けのため、土作りをします。
- 植え付け2週間前に、1㎡あたり100gの苦土石灰を土に入れ、深さ30cmまで耕します。
- 植え付け1週間前に、1㎡あたり1~2kgの堆肥と100gの化成肥料を入れ、土とよく混ぜます。
手順5.3月中旬~4月中旬に株を植え付けよう!
中間地では3月中旬~4月中旬が植え付けの目安です。
- 幅60cm~110cmの畝を立て、中央に幅40cm、深さ30cmの植え穴を堀ります。
- 株間を30~50cmあけて、ポットから外した苗を植え入れ、土を戻し根元を軽く手で押さえます。
- 植え付け後はたっぷりと水を与えます。
植え付け後は、土の乾燥を防ぐため、敷きわらをしておくとよいでしょう。
また、苗が雑草に負けないよう、こまめに除草を行います。
水はけが悪いと根腐れを起こしやすくなります。
畝は高めにし、排水性をよくしておきましょう。
手順6.背丈が伸びたら支柱をしよう!
草丈が50~60cmほどに育ってきたら、株の両側に支柱を立て紐を張り、茎が倒れないようにします。
1.5mほどの高さまで育つので、 伸長にあわせて紐を2段~3段張るようにしましょう。
手順7.【追肥①】植え付け1年目の6月頃
植え付け1年目の6月頃に、1回目の追肥を行います。
1㎡あたり100gを目安に化成肥料を畝の肩にまきます。
夏場は乾燥に注意しながら水やりをして育成し、冬になって葉茎が枯れてきたら、地際から刈り取って整理します。
手順8.【追肥②】植え付け2年目の2~3月頃
植え付け2年目の2~3月頃になったら、二度目の追肥を行います。
株の両側に20cmほどの溝を切り、1㎡あたり1kgの堆肥と100gの化成肥料をまきます。
春になると芽が出始めますが、2年目は収穫せず、根茎を太く育て、株に養分を蓄えさせるようにします。
手順9.【追肥③】植え付け2年目の6月頃
植え付け2年目の6月頃に、3度目の追肥を行います。
1㎡あたり100gほど化成肥料を畝の肩にまきましょう。
その後は、1年目と同様に育て、冬になって茎葉が枯れてきたら地際から切り取って整理し、春の萌芽を待ちます。
ホワイトアスパラガスを作るには?
芽が出始めたら、直径4cmほどの塩ビ管を芽にかぶせ、遮光フィルムや黒マルチシートで上部をカバーしておきます。
そうすると光が遮断され、軟白しホワイトアスパラガスが出来上がります。
色だけではなく、食感や味にも違いが出てくるので、慣れてきたらチャレンジしてみるといいですね!
アスパラガスの収穫時期と収穫方法
アスパラガスの収穫時期
アスパラガスの収穫時期は、栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月上旬~6月中旬
- 中間地(関東等) : 4月上旬~6月上旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月中旬~5月下旬
3年目から収穫OK!芽が25cmくらいで収穫しよう
アスパラガスは3年目の春から収穫が可能になります。
茎が25cmほどの長さになり穂先が固く締まっているものが収穫の目安です。
根元からハサミなどで切り取りましょう。
育ちすぎると食味が落ちるので、穂先が開く前に収穫してください。
収穫後、3日ほどで筋っぽくなってしまうので、収穫後は早めに使うようにしましょう。
全ての芽を取ってしまうと、株が弱り、翌年以降の収穫量が減ってしまいます。
収穫時期の後半に出る芽や細い芽は残しておき、株が養分を蓄えられるようにしておきましょう。
収穫後の管理
アスパラガスは上手に管理すれば、10年ほど収穫を楽しむことができます。
- 収穫が終わったら、残しておいた茎以外は地際からカットして整理しておきます。
- 冬に茎葉が枯れてきたら、地際から刈り取ります。
- 春になり、また新しい芽が出始めたら、1㎡あたり1kgの堆肥と100gの化成肥料をまきます。
その後、4月くらいから2回目の収穫が始まりますが、6月を過ぎたら収穫を終わらせ、翌年の収穫に備えます。このサイクルを毎年続けます。
10年収穫した後は、株分けをしよう!
10年ほど栽培を続けた後は、株分けによって再び勢いのある株を作りましょう。
3月頃に株を掘り返して、手で株を分けて植え替えます。
分けたそれぞれの株に2~3個の芽がつくようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「アスパラガスの育て方!種まき・肥料・2年目の栽培方法・株分けの仕方のコツ」を紹介してきました。
収穫までに3年かかりますが、その後も10年は収穫でき、株分けによって更に長い期間、まるで我が子の成長を見守るように栽培を楽しむことができますよ。ぜひ挑戦してみてくださいね。
【植え付け時期】
栽培する地域によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 4月下旬~5月下旬
- 中間地(関東等) : 3月中旬~4月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月上旬~4月上旬
【種まき】
4号ポットに種まき用土を入れ、2~3粒種をまきます。薄く土をかぶせたっぷりと水を与えます。
【間引き】
草丈が10cmになったら間引きをして1本立ちにし、そのままポットで1年間育てます。
【土作り】
植え付けの2週間前に苦土石灰、一週間前に堆肥と元肥を入れて耕し、畝を立てます。
【植え付け】
30~50cm株間をあけ植え穴を掘り、苗を植え入れます。
【水やり】
植え付け後はたっぷりと水を与えますが、その後は乾燥させないように適宜水やりをします。成長が止まる冬場は控えめにしましょう。
【支柱】
草丈が50~60cmほどに育ってきたら、株の両側に支柱を立て紐を張ります。
【肥料】
植え付け1年目の6月頃、2年目の2~3月頃、2年目の6月頃に追肥をします。
【収穫方法】
3年目から収穫できます。茎が25cmほどの長さになり穂先が固く締まっているものを収穫します。
【収穫時期】
栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月上旬~6月中旬
- 中間地(関東等) : 4月上旬~6月上旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月中旬~5月下旬
【収穫後の管理】
細い目は収穫せずに残しておき、翌年以降に向けて株に養分を蓄えさせます。冬に茎葉が枯れたら地際から刈り取り、翌春芽が出始めたら、堆肥と肥料を与えます。
【株分け】
10年ほど栽培したら、株分けをします。掘り起こした株をそれぞれに芽が2~3個つくようにして分け、植え替えます。