主に緑の葉の部分を食べる葉ネギに対し、白い茎の部分を長く育てて食べる根深ネギ。
長ネギや白ネギとも呼ばれ、お鍋や中華に欠かせない野菜の一つですよね。
体を温める作用や疲労回復に効果があり、昔から健康によい野菜として重宝されていますね。
地方によって多くの在来種があり、それぞれの特徴を楽しめるのも魅力です。
そんな根深ネギの栽培ですが、土寄せを上手におこなわないと、白い部分(葉鞘)を美味しく育てることができません。
しかし、ある対策をおこなえば、葉鞘を長く育てることができ、初心者のあなたでも上手に美味しい根深ネギを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の育て方と栽培のコツを
- 根深ネギ栽培の特徴
- 種まきと土寄せのコツ
- おすすめの品種
- 種まき~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
収穫までに時間のかかる根深ネギの栽培ですが、その分、真っ白な根深ネギを引き抜いたときは、とても嬉しく感じるはずですよ。
ぜひチャレンジしてみてください!
根深ネギ(長ネギ・白ネギ))の栽培の特徴とコツ
根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の栽培の特徴
根深ネギの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★★★☆☆
分類:ネギ科(ユリ科)
種まき時期:3月上旬~4月中旬
収穫時期:10月下旬~2月下旬
発芽適温:18~22℃
生育適温:15~20℃
好適土壌pH:6.0~6.5
連作障害:連作不可。1~2年あけましょう
【栽培のコツ1】嫌光性種子なので種まき後は新聞紙や不織布を被せておこう!
根深ネギの種は、日光にあたると発芽しにくくなる嫌光性種子です。
発芽までは新聞紙や不織布をかけて暗い環境をつくって、発芽をうながします。
・ 嫌光性種子(けんこうせいしゅし)とは?
発芽するときに光を必要としない種子をいいます。
反対に、発芽するときに光を必要とする種子を好光性種子(こうこうせいしゅし)といいます。
【栽培のコツ2】土寄せをこまめにして白い葉鞘を長く育てよう!
根深ネギの特徴は、白くて長い部分(葉鞘部)です。
ここを上手に育てるためには、成長にあわせて土を寄せる必要があります。
一度にたくさん土を盛りすぎたり、葉の分裂点まで土をかぶせないでください。
ネギの成長が、止まってしまいます。
こまめに土を寄せながら、白い部分を伸ばしていくのがポイントです。
根深ネギ(長ネギ・白ネギ)のおすすめの種まき時期は3月中旬~4月下旬 (春まき)
根深ネギの栽培には、春まきと秋まきがあります。
初心者の方には、夏に植え付けて冬に収穫する春まきがおすすめです。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 6月中旬~7月中旬
- 中間地(関東等) : 3月中旬~4月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月上旬~4月中旬
<秋まきの場合>
- 中間地(関東等) : 10月中旬~11月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 10月下旬~11月下旬
根深ネギ(長ネギ・白ネギ))のおすすめの品種はホワイトスター、清滝、夏扇
奈良時代に中国大陸から渡来したといわれるネギには、地域によってもたくさんの品種があります。
ここでは、手に入りやすく家庭菜園にむいている品種を紹介します。
ホワイトスター
耐湿性と耐病性があり、生育旺盛で作りやすい品種です。
肉質は緻密で、苦味や辛味が少ないのが特徴です。
清滝(きよたき)
土壌の適応性があり、軽くて粗い軽しょう土から粘土質の土まで広く栽培できます。
軟白部の生育がよく、肉厚で光沢のある良質なネギに育ちます。
夏扇4号(なつおうぎ)
病気にも強く、作柄が安定する多収品種で、土質も選びません。
葉折れが少なく、よく太ります。
根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の育て方と栽培のポイント
手順1.土作りは深さ30cmまで、よくたがやしましょう
土づくりは基本的な手順でおこないます。
深さ30cmくらいまで、しっかりたがやしましょう。
- 植え付けの2週間前に、1㎡あたり120gの苦土石灰をまき、深さ30cmくらいまで土をよくたがやします。
- 植え付けの一週間前に、1㎡あたり堆肥3kgと化成肥料100gを施し、土とよくまぜます。
根深ネギは、深く植え付けるため、土壌の性質が生育に大きく影響します。
白い部分を長く美味しくそだてるために、条件のよいところを選びましょう。
- 風通しがよい
- 水はけがよい
手順2.ポットやセルトレイに種をまく
種は発芽をうながすために、麻袋にいれて1晩水にひたしておきます。
種まき用培養土をポットまたはセルトレイの8分目まで入れ、種を5~6粒ずつまきます。
軽く土を被せ、たっぷりと水を与えます。
育苗数が多いときは、そのまま畑にまくこともできます。
列と列の間を10cmほどあけて、深さ1cmくらいの種まき用の溝をつくります。
1cm間隔で種をまき、かるく土をかぶせて、種が流れないように優しく水をあげます。
手順3.発芽するまで新聞紙や不織布を被せておこう
根深ネギの種は嫌光性種子なので、日光があたると発芽しにくくなります。
そのため、発芽するまでは新聞紙や不織布をかぶせておきましょう。
手順4.草丈5cmくらいで間引きしよう
草丈が5cmくらいの高さまで育ったら、間引きをします。
生育のよい芽を残し、葉が触れ合わない程度にすき間をつくります。
手順5.【追肥①】本葉2~3枚の頃
ポットやセルトレイでの育苗やプランターで育てる場合は、 本葉が2~3枚になった頃に追肥を行います。
液体肥料を規定倍率にうすめて、週に1回、水やりをかねておこないます。
手順6.本葉5~6枚になったら植え付けよう
本葉5~6枚になったら植え付けをします。
幅10cm、深さ5cmほどの植え溝を掘り、苗を植え付ける側の土を垂直にほります。
- ポットから苗を丁寧に取り出し、1~2本づつにわけます。
- 5~10cmあけて垂直にほった土にくっつけるようにして植えつけます。
- 根元に5cmほど土をかけ、苗が倒れないように押さえます。
- 植え終わったら、乾燥や葉が倒れるのを防ぐため、溝にワラや堆肥をかけておきます。
ネギは株間を狭くしたほうがお互いに成長を良くするので、5~10cmの狭い間隔で植え付けします。
ネギは過湿に弱いので、植え付け後は、あまり水やりはせず乾燥気味に育てます。
手順7.水やりは自然の雨でOK!
発芽するまでは、土が乾いた水やりをします。
発芽したら、自然の雨で問題ありません。
根深ネギは、過湿に弱いので乾燥気味に栽培します。
手順8.【土寄せ①追肥②】植え付けから1ヶ月たった頃
植え付けから1ヶ月ほどたったら、追肥と土寄せを行います。
1㎡あたり50gの化成肥料を溝にまき、土とよく混ぜてから、根元に土をよせます。
追肥と土寄せは葉鞘の生育に合わせて1ヶ月に1回を目安に、合計4回ほど行います。
手順9.【土寄せ②追肥③】土寄せ①から1ヶ月後
1回目の土寄せと追肥から1ヶ月ほど経ったら、2回目の追肥と土寄せを行います。
追肥の方法は、1回目と同じです。
土をよせる時は注意が必要です。
土を寄せるさいは、葉のぶんれつ部分まで土をよせないでください。
ここに、土がはいってしまうと成長がわるくなります。
土は葉のぶんれつ部分の5cm下までにします。
手順10.【土寄せ③追肥④】土寄せ②から1ヶ月後
2回目の土寄せと追肥から1ヶ月ほど経ったら、3回目の追肥と土寄せを行います。
長ネギは雑草に弱いため、土寄せと追肥のタイミングで、こまめに除草をしましょう。
手順11.【土寄せ④】収穫の1ヶ月前
最後の土寄せは、収穫の1ヶ月前を目安に行います。
最後の土寄せの際には追肥は必要ありません。
手順12.ネギ坊主は摘み取ろう
「とう立ち」するとネギがかたくなってしまいます。
植え付けた苗からネギ坊主(ネギの花)が伸びてきたら、すぐに摘み取りましょう。
小さいうちに摘み取ったネギ坊主は、天ぷらなどにして食べることができます。
ほんのりとした苦味が美味しいですよ。
根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の収穫時期と収穫方法
根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の収穫時期
根深ネギの収穫時期は、栽培地によってかわります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) :11月下旬~12月下旬
- 中間地(関東等) :10月下旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等):11月上旬~12月下旬
<秋まきの場合>
- 中間地(関東等) :9月上旬~11月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 9月上旬~11月下旬
最後の土寄せの1ヶ月後を目安に太いものから収穫しよう!
最後の土寄せから1ヶ月後に、軟白部が40~50cmになったら収穫できます。
埋めた溝の部分の土を崩し、スコップを差し込んで掘りおこして、株元をつかんで引き抜きます。
収穫後すぐに食べない場合は、土がついたまま新聞紙で包み、涼しいところで保存できます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「根深ネギ(長ネギ・白ネギ)の育て方!種まきや植え替え・白く長く栽培するコツ」を紹介してきました。
根深ネギの栽培には、こまめな土寄せが必要ですが、手間をかけた分、収穫の嬉しさは格別です。
ぜひ挑戦してみてください!
【種まき時期】
栽培地によってかわります。
初心者の方には、夏に植え付けて冬に収穫する春まきがおすすめです。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 6月中旬~7月中旬
- 中間地(関東等) : 3月中旬~4月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 3月上旬~4月中旬
<秋まきの場合>
- 中間地(関東等) : 10月中旬~11月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 10月下旬~11月下旬
【土作り】
堆肥と元肥を入れてたがやします。
【種まき】
ポットに5~6粒ずつ種をまき、土を被せ水をたっぷり与えます。
発芽するまでは、新聞紙や不織布で覆い、光のあたらない環境をつくりましょう。
【間引き】
草丈5cmくらいで間引き、葉が触れ合わないくらいほどの隙間を作ります。
【植え付け】
本葉が5~6枚になったら、1~2本ずつ植え付けをします。
【追肥と土寄せ】
1㎡あたり50gの化成肥料を溝にまき、土とよく混ぜたあと土寄せをします。
追肥と土寄せは成長にあわせて4回ほどおこないます。
おおむね、1ヶ月ごとに追肥と土寄せをおこないます。
【水やり】
自然の雨でOKです。
過湿に弱いため、根付いた後はあまり水やりをせず、乾燥気味に育てます。
【収穫】
最後の土寄せから1ヶ月後を目安に、太いものから収穫しはじめます。
土がついたまま新聞紙でつつんで、涼しいところで保存できます。
【収穫時期】
栽培地によってかわります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) :11月下旬~12月下旬
- 中間地(関東等) :10月下旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等):11月上旬~12月下旬
<秋まきの場合>
- 中間地(関東等) :9月上旬~11月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 9月上旬~11月下旬