レタスには、下のようないくつかの種類があります。
- 玉レタス・・・結球タイプ(葉が重なって球状になる)
- サラダ菜・・・半結球タイプ
- リーフレタス・・・結球しないタイプ
今回紹介するのはボールのように丸くなる玉レタス。
みずみずしく、シャキシャキとした歯ごたえで、サラダには欠かせない野菜ですよね。
また、加熱してもシャキッとした食感はなくならず、たっぷりとレタスを食べたいというときには、スープやレタスチャーハンにしてもいいですね。
そんな玉レタスの栽培ですが、温度管理や害虫対策ができていないと、葉がなかなか丸く巻いてくれません。
しかし、ある対策をおこなえば、しっかりと結球するので、初心者のあなたでも上手に美味しい玉レタスを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、玉レタスの育て方と栽培のコツを
- 玉レタス栽培の特徴
- 種まきのコツ
- おすすめの品種
- 植え付け~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
上手に育てて、シャキシャキのレタスを楽しみましょう!
玉レタスが結球しない4つの原因と対処方法
玉レタスの栽培するときに、起こりがちな「結球しない」という問題。
葉がうまく巻かない主な原因とその対策を紹介します。
原因1.種まき時期が高温や低温だった
レタスの生育適温は15~20℃です。
温度がこれよりも低すぎると寒くて結球できず、逆にこれよりも温度が高すぎて日照量も多いと、花芽が出来てとう立ちしてしまいます。
そのため、結球できず、味も落ちてしまいます。
秋まきの場合は、10月上旬までには外葉が大きく生長するようにして、寒くなる前に結球できるようにしましょう。
原因2.肥料不足
肥料が不足すると結球しないばかりか、葉が固くなる原因にもなってしまいます。
レタスは植え付けから1ヶ月後くらい経ち、結球し始めた頃から肥料の吸収がよくなります。
植え付けから2週間くらい経った頃と、結球し始めた頃の2回、追肥を行うようにしましょう。
また、元肥は多めに入れておくとよいでしょう。
原因3.肥料過多
結球させるためにも肥料は必要ですが、与えすぎても肥料焼けをおこしてしまい、結球せずに外葉だけが大きく育ってしまいます。
追肥は生長の様子を見ながら、過剰にならないよう注意しましょう。
原因4.害虫被害によるホルモンバランスの崩れ
レタスのような結球野菜は、外葉に日が当たり光合成することで、内側の葉の生長に必要な栄養素を作り出します。
そのため、アオムシやアブラムシの食害によって外葉の光合成が妨げられると、結球しにくくなります。
また、アブラムシなどが媒介するウイルス病にかかると葉の発育が悪くなり、結球しない場合があります。
そのため、害虫対策とウイルス予防をしっかり行う必要があります。
植え付け後に防虫ネットをトンネル掛けしておけば、アブラムシなどの飛来を防ぐことができます。
玉レタスの栽培の特徴とコツ
玉レタスの栽培の特徴
玉レタスの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★★★☆☆
分類:キク科
植え付け時期:8月上旬~9月上旬(夏まき)
収穫時期:10月下旬~11月中旬(夏まき)
発芽適温:15~20℃
生育適温:15~20℃
好適土壌pH:6.0~6.5
連作障害:あり。2~3年あける。
【栽培のコツ1】夏まきは場合は種を水に一晩つけてから種まきしよう!
レタスの種は温度が高くなると休眠し、発芽しにくくなる性質があります。
そのため、 夏まきの場合は、種を一度冷やし「休眠打破」してからまくと発芽率が上がります。
- 種をガーゼなどに包んで、一晩水に浸して吸水させます。
- 水を切って冷蔵庫で1~2日冷やします。
- 白い根が見え始めたらまきどきです。
根を傷付けないように丁寧に種まきしましょう。
【栽培のコツ2】好光性種子なので種まき後は薄く土を被せよう!
レタスの種は発芽に光が必要な好光性種子です。
深く植えすぎると発芽しにくくなるため、種まきの際は、土を薄く被せるようにします。
玉レタスのおすすめの種まき時期は8月上旬~9月上旬(夏まき)
玉レタスは、春まきと夏まきができます。
初心者には気温が下がっていくときに栽培する夏まきがおすすめです。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) :3月中旬~4月下旬
- 中間地(関東等) :2月下旬~3月中旬
- 温暖地(四国・九州等):2月中旬~3月上旬
<夏まき>
- 寒冷地(東北等) :7月上旬~7月下旬
- 中間地(関東等) :8月上旬~9月上旬
- 温暖地(四国・九州等):8月中旬~9月中旬
玉レタスのおすすめの品種はシスコ、みずさわ、レガシー
初心者には種まきから収穫までの期間が短い早生品種がおすすめ。
代表的な品種を紹介します。
シスコ
苗の定着率もよく、幅広い期間て安定して栽培できます。
寒さにも強く冬場でも結球しやすいタイプ。
葉はやららかく、みずみずしい食感です。
みずさわ
耐暑性、耐寒性、耐病性があり、土壌の適応性も広く作りやすい中早生品種です。
葉は肉厚でツヤがあります。
レガシー
耐寒性のある中早生品種です。
ボリューム感があり、ジューシーな肉質の大玉に育ちます。
玉レタスの育て方と栽培のポイント
手順1.酸性に弱いので、土作りは苦土石灰をしっかりまこう
レタスは酸性に弱いため、苦土石灰をしっかりまき、土壌酸性度を適切に調整しておきましょう。
phの目安は6.0~6.5です。
- 植え付けの2週間前に1㎡あたり100~150gの苦土石灰をまき、深さ30cmくらいまで土をよく耕しておきます。
- 植え付けの一週間前に1㎡あたり堆肥2kgと化成肥料100gを施し、土とよく混ぜます。
- 幅60~90cm、高さ10cmほどの畝を立てて、マルチを敷きます。
手順2.種を一昼夜水に浸し、一晩冷蔵庫に入れておこう
- 種をガーゼなどに包んで、一晩水に浸して吸水させます。
- 水を切って冷蔵庫で1~2日冷やします。白く根が見えはじめたらまきどきです。
手順3.育苗箱やセルトレイに種をまこう
- 育苗箱やセルトレイに種まき用培養土を入れ、種をまきます。
- 発芽したら間引きをして一本立ちにします。
<育苗箱の場合>
7~8cm間隔に溝を作り、種を1~2cm間隔に種をまき、薄く土を被せます。
<セルトレイの場合>
4~5粒ずつまき、薄く土を被せます。
直播きもできますが、育苗箱やセルトレイで育苗するほうが管理がしやすいです。
ポット苗は、春まきの場合は暖かいところに、夏まきの場合は涼しいところに置き、しっかりと温度管理をしましょう。
手順4.本葉が2~3枚になったらポットに植え替えよう
本葉が2~3枚になったら、1本ずつポットに植え替え、本葉5~6枚になるまで育苗します。
苗の数が少ないときは、はじめからポットに種をまき、間引いていってもよいでしょう。
手順5.本葉5~6枚になったら植えつけよう
本葉5~6枚になったら植え付けます。
- 株間25cmくらいになるように、マルチシートにカッターナイフなどで切り込みを入れます。
- 根鉢を崩さないようにポットから苗を取り出し、根鉢の表面と畝の高さが同じくらいになるように植え付け、根元にたっぷりと水を与えます。
- 植え付け後は、害虫を防ぐため、防虫ネットをトンネル掛けしておきます。
手順6.乾燥したら水やりをしよう!結球したら控え目に
植え付け後、苗が根付くまではたっぷりと水を与えますが、その後は少し乾燥気味に育てます。
水が不足しすぎると、葉が固くなり美味しくなくなってしまいますが、水の与えすぎも病気にかかりやすくなるので、注意が必要です。
特に、結球が始まったら、水やりは控えめにしましょう。
手順7.【追肥①】植え付けから2週間後
植え付けから2週間ほど経ち、外葉がいっぱいに広がってきたら、1回目の追肥を行います。
1㎡あたり30gの化成肥料を施しましょう。
手順8.【追肥②】葉が巻き始めた頃
結球し始める頃に、2回目の追肥を行います。
1回目と同様、1㎡あたり30gの化成肥料が目安です。
玉レタスの収穫時期と収穫方法
玉レタスの収穫時期
玉レタスの収穫時期は、栽培地によってかわります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) :10月上旬~11月上旬
- 中間地(関東等) :10月下旬~11月中旬
- 温暖地(四国・九州等):11月上旬~12月上旬
<夏まき>
- 寒冷地(東北等) :6月上旬~7月中旬
- 中間地(関東等) :5月上旬~6月中旬
- 温暖地(四国・九州等):5月上旬~6月中旬
手で押さえて、球がしっかり締まっていたら収穫しよう!
玉レタスの頭を手で押さえてみて、しっかりと固く締まっていたら、収穫のサインです。
地際にナイフを入れ、株元を切り取りましょう。
水分を葉にたくさん蓄えている早朝がレタスを美味しく収穫できる時間帯です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「玉レタスの育て方!結球しない4つの原因と対策などの栽培のコツ」を紹介してきました。
結球しない原因を知り、対策をしっかり行うことで、葉がきれいに巻いた玉レタスを作ることができますよ。
シャキシャキのレタスを収穫して、自家栽培サラダを作ってみてはいかがでしょう?
【種まき時期】
栽培地によってかわります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) :3月中旬~4月下旬
- 中間地(関東等) :2月下旬~3月中旬
- 温暖地(四国・九州等):2月中旬~3月上旬
<夏まき>
- 寒冷地(東北等) :7月上旬~7月下旬
- 中間地(関東等) :8月上旬~9月上旬
- 温暖地(四国・九州等):8月中旬~9月中旬
【土作り】
堆肥と元肥を入れて耕します。
【種まき】
種は一晩浸水し、夏まきの場合は1~2日間冷蔵庫に入れて冷やします。育苗箱やセルトレイに種をまき、土を薄く被せます。
【植え替え】
本葉2~3枚になったら、ポットに植え替えします。
【植え付け】
本葉が5~6枚になったら、植え付けをします。
【追肥】
1㎡あたり30gの化成肥料を植え付けから2週間後と、結球し始める頃の2回施します。
【水やり】
根付くまではしっかりと水をやり、その後は乾燥したときに水やりをします。結球し始めたら控え目にしましょう。
【収穫】
上から押さえて、しっかりと固く締まっていたら、収穫できます。株元をナイフで切り取って収穫しましょう。
【収穫時期】
栽培地によってかわります。
<春まき>
- 寒冷地(東北等) :10月上旬~11月上旬
- 中間地(関東等) :10月下旬~11月中旬
- 温暖地(四国・九州等):11月上旬~12月上旬
<夏まき>
- 寒冷地(東北等) :6月上旬~7月中旬
- 中間地(関東等) :5月上旬~6月中旬
- 温暖地(四国・九州等):5月上旬~6月中旬