とろけるような甘さで愛されているメロン。
甘いだけではなくて、栄養もたっぷりです。
メロンには、体内の余分な塩分を排出し、高血圧の予防や手足のむくみを防止するカリウムが含まれています。
カリウムが多い果実として有名なのはスイカですが、メロンはスイカの3倍以上のカリウムを含ふくんでいます。
また、タンパク質を分解する酵素も含まれていますので、お肉料理のデザートでたべると消化をたすけてくれます。
しかし、雨水対策や人工授粉作業と蔓(ツル)の整理をおこなわなかったりすると、成長がわるくなり果実をつけなくなって収穫量が少なくなってしまいます。
栽培に難しいイメージのあるメロンですが、ある対策をおこなえば果実が実るようになり、初心者のあなたでも上手に甘いメロンをつくることができますので紹介していきますね。
そこで、メロンの育て方と栽培のコツを
- メロン栽培の特徴
- 栽培時期
- 雨水対策をして果実を守る方法
- ツルを整理して収穫量をふやす方法
- 人工授粉をおこなうさいの注意点
- おすすめの品種
- 種まき~収穫までの栽培手順とポイント
にわけて説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
メロンの栽培の特徴とコツ
メロンの栽培の特徴
メロンの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
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栽培難易度:★★★★★
分類:ウリ科
植え付け時期:5月初旬~6月下旬
収穫時期:7月中旬~9月初旬
発芽適温:25~30℃
生育適温:20~30℃
好適土壌pH:6.0~6.5(弱酸性)
連作障害:連作不可。4~5年あけましょう。
メロンを種から育てるには、日中と夜間の温度調節をしっかりとおこなわなければ良い苗になりません。
そのため、初心者の方には苗の購入をおすすめします。
そのさい、病気につよい接ぎ木苗を選ぶようにしましょう。
【栽培のコツ1】支柱立て栽培で風通し良くしよう!
メロンは、気温がたかく乾いた場所を好みます。
湿度がたかいと成長がわるくなり病気になりやすくなります。
そのため、支柱をたたて風通りをよくしましょう。
つるもの栽培セットをつかえば、支柱をたててネットがはれます。
・ つるもの栽培セットとは?
さびにくい特製パイプと丈夫なネットがセットになっているグッズです。
つるものを上に伸ばして栽培するときに、利用できます。
園芸店やインターネットで販売されています。
【栽培のコツ2】雨よけビニールで甘さUP!
メロンの根は、あさく広くのびます。
雨ざらしのじょうたいだと、雨が土をけずって根が地表にでてしまい病気になります。
また、果実が雨にあたると甘くならなくなりますので、雨よけグッズを設置します。
・ 雨よけグッズとは?
雨よけグッズは、必要な部材がセットになっており、雨がちょくせつメロンにあたらないように畝(うね)全体を傘のようにおおうことができるものです。
これは、曲がったかたちのパイプや専用シートなどの部材がすべて1つのセットとして用意されており、園芸店やインターネットで販売されています。
メロンのおすすめの植え付け時期は5月中旬~6月中旬
メロンは寒さによわいため、栽培地によって植え付け時期がかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月下旬~6月下旬
- 中間地(関東等) : 5月中旬~6月中旬
- 温暖地(四国・九州等): 5月上旬~6月上旬
メロンのおすすめの品種はプリンスメロン
メロンには様々な品種がありますが、栽培しやすい品種を紹介します。
プリンスメロン
メロン栽培の定番品種です。
一番の特徴が、メロン特有の網目がないところです。
ツルっとした表面で、小ぶりな果実です。
栽培のしやすさから、全国で栽培されています。
甘みが強くジューシーで、こぼれおちるような果実ととろけるような口当たりが人気です。
もし収穫しても、まだ食べごろではないばあいは室温で保存します。
冷蔵庫で保存すると甘みがすくなくなります。
食べる直前に冷蔵庫でひやします。
アンデスメロン
病気につよいのが特徴です。
育てやすく甘みが強くジューシーなため、全国で栽培されています。
アンデスと名前はついていますが、アンデス山脈とは一切かんけいありません。
「安心ですメロン」から現在の名称になっています。
ころりん
くせのないさわやかな甘さで人気の品種です。
特徴は育てやすいところです。
お家のプランターでも本格的なメロンが栽培できるようにつくられています。
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メロンの育て方と栽培のポイント
手順1.3号ポットに種をまこう
3月下旬~4月中旬のあいだに、メロンの種をポットにまきます。
- 3号(直径9cm)の育苗ポットへ赤玉土(小粒)などの種まき用の土をいれます
- 指で育苗ポットの中心へ2ヶ所浅いくぼみをつくり、中へ種を1粒づつまきます。
- 軽く土をかぶせて、てのひらで表面をおさえます。
- たっぷりと水やりをします。
- 土が乾かないように観察しながら水やりをかんりします。
- 3~4日で発芽します。発芽して、本葉が1~2枚はえてきたら生育のわるいほうの株をハサミで株元からきりとります。
- ひなたにおいて、土が乾かないように水やりをかんります。
1日をとおして、管理がむずかしいばあいは苗を購入することをおすすめします。
手順2.土作り
種まきから、30~35日で苗の植え付けができますので生育状況をかんさつしながら、土作りをはじめます。
- 植え付けの2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100gまき深さ30cmくらいまでよく耕します。
- 植え付けの1週間前に、1㎡あたり追肥2kgと化成肥料100gをまいて、土とよくまぜます。
- 幅70~100cm、高さ10cmの畝(うね)をつくり、ポリマルチを敷きます。
・ 銀線入りマルチとは?
銀線入りマルチは、透明や黒のマルチに銀色の線がはいっていて、アブラムシなどの防虫効果があります。
園芸店やインターネットでも販売されています。
手順3.本葉が3~4枚で植え付けよう
苗の本葉が3~4枚になれば、植え付けのサインです。
- 植え付けの3時間前に、株間が60~80cmになるようにカッターで十字に切れ込みをいれるか、市販の穴あけ機をしようして植え穴をあけます。
あけた植え穴へたっぷりと水をあげましょう。 - 植え付け前に、植え穴の深さをみるためにポットのまま穴にいれて深さを確認します。
- 根鉢をくずさないように、苗をポットから抜きとり植え付けます。このとき、根鉢の上面と畝の面がおなし高さに植えましょう。
- 植え終わったら、たっぷりと水をかけます。
- 寒さから苗をまもるために、ホットキャップをかぶせます。
・ マルチ穴あけ機とは?
マルチ穴あけ機は、刃先がギザギザしていて、マルチに押し当てると丸くマルチが破りとられてキレイな植え穴ができます。
スコップで穴をあけても良いですが、植え穴が狭いと日光をさえぎって発芽しなかったりすることがあるので、初心者の方はマルチ穴あけ機をおすすめします!
これは、園芸店やインターネットでも販売されています。
・ホットキャップとは?
夜間などのさむさから苗を保温して初期の生育をまもるビニールのセットです。
保温用のビニールと小さい特殊な支柱がセットになっており、園芸店やインターネットで販売されています。
手順4.始めは自然の雨でOK!一番果がなったら朝晩2回水やりしよう
1つ目の果実ができたのを確認するまでは、自然の雨で問題ありません。
その後は、朝と晩の1日2回で水やりをたっぷりおこないます。
収穫の10日ほど前からは、水やりを減らしていけば甘い果実ができます。
手順5.本葉が6枚になったら株の頂点を摘芯
メロン栽培では、果実を孫ヅルにみのらせます。
そのため、本葉が6枚になったら親ヅルの頂点を摘芯します。
手順6.勢いの良い子ヅルを2本残して他はつみ取る
生育のよい勢いのある子ヅルを2本だけのこして、他の子ヅルは摘みとりましょう。
手順7.子ヅルがのびたら支柱を立て畝と垂直に誘引しよう!
残した2本の子ヅルがのびてきたら、垂直に支柱を立てて上にのびていくように誘引しましょう。
このとき、ツルをきずつけないように麻などで8の字にむすびます。
さらに、つるもの栽培セットを使用して子ヅルをのばしていきましょう。
手順8.子ヅルも本葉20~25枚になったら摘芯しよう
子ヅルの本葉が20~25枚になったら、そこから先は摘芯しましょう。
手順9.子ヅルの4節目までに生えている孫ヅルはつみ取る
栄養分を果実にあつめるために、子ヅルの4節目までに生えている孫ヅルはすべて摘みとりましょう。
手順10.人工受粉で確実に着果させよう!
虫やハチなどの自然な受粉をきたいするより人工授粉をおこなって、確実に受粉させましょう。
雄花の花粉は寿命がみじかいため、午前中までに人工授粉をおこないましょう。
雄花は花弁のしたがふくらんでいませんので、見分けることができます。
- 雄花をつみ、花弁をとりさって雌花の柱頭に転がすように花粉をつけます。
- 受粉がおわったら、収穫の目安になるように日付を記入したラベルをつけます。
手順11.実がピンポン玉サイズになったら追肥しよう
メロンの果実が、ピンポン玉のおおきさになったら追肥をします。
株元に化成肥料を10gばらまきます。
追肥は、この1回のみです。
手順12.実がこぶし大になったら 子ヅルに1~2個にしよう!
果実が、こぶし大のおおきさになったら子ヅルにつき果実を1~2個にしましょう。
この果実を収穫までそだてます。
・ 黄色い網袋ネットとは?
黄色は、カラスにはみえない色といわれています。
もし、近くにカラスの巣がある場所では黄色のネットを果実に入れておくことで、食害から防ぐ効果があります。
黄色の網袋ネットは園芸用品ではなく、ゴミをカラスから守るネットとしてインターネットで販売されています。
果実の大きさに合わせて、切り取りすればカラスの食害防止ネットとしてつかえます。
メロンの収穫時期と収穫方法
メロンの収穫時期
メロンの収穫時期は、栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 8月中旬~9月下旬
- 中間地(関東等) : 7月中旬~8月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 7月中旬~8月中旬
ヘタ付近のネットが盛り上がってきたら収穫のサイン!
果実がついている節の葉がかれてきて、香りがしはじめたら収穫のサインです。
果実の表面が網目模様になるネット品種では、ヘタ付近の網目模様がもりあがってきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「失敗しないメロンの育て方!種まきや水やり・摘芯など栽培のコツ」を紹介してきました。
雨水対策やツルの整理そして人工授粉のポイントをしっかり押さえておけば、初心者のあなたでも甘いメロンを作ることができますよ^^
【植え付け時期】
栽培地によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月下旬~6月下旬
- 温暖地(関東等) : 5月中旬~6月中旬
- 温地(四国・九州等): 5月上旬~6月上旬
【種まき時期】
3月下旬~4月中旬のあいだにポットに種をまいて、本葉が3~4葉になったら、植え付けのサインです。
【植え付け方】
株間60~80cmで畝に穴をつくり植え付けます。
夜間の寒さ対策にホットキャップをかぶせておきます。
【水やり】
根付くまでしっかりと水をまきます。
1つ目の果実ができたのを確認するまでは、自然の雨で問題ありません。
その後は、朝と晩の1日2回で水やりをたっぷりおこないます。
収穫の10日前から水やりをへらします。
【ツルの整理】
果実を大きく育てる為に、ツルをちょうせいします。
親ヅルは、6葉で摘芯します。
勢いのよい子ヅルを2本のこして他はとりのぞきます。
子ヅルの4節目までの孫ヅルは、すべてとりのぞきます。
【人工授粉】
確実に受粉させるために、午前中までに人工授粉をおこないます。
【雨水対策】
雨が果実にあたらないように、雨よけグッズを設置します。
【追肥】
1番果がピンポン玉のおおきさになったら、株元に化成肥料を1㎡あたり10g追肥します。
追肥はこの1回だけです。
【果実の間引き】
果実がこぶし大になったら 子ヅルに1~2個にしましょう。
【収穫】
収穫時期も栽培地でことなる。
ネット品種ではヘタ付近の網目模様が盛り上がってきたら収穫のサイン。
- 寒冷地(東北等) : 8月中旬~9月下旬
- 温暖地(関東等) : 7月中旬~8月下旬
- 温地(四国・九州等): 7月中旬~8月中旬