日本では長らく「苦い青汁」のイメージが強かったケールですが、最近はスムージーやサラダにも使われ、健康的でオシャレな野菜として知名度もアップしていますね。
ケールはキャベツの原型ともいわれ、縮れのない葉や、カール状になっている葉など、様々な種類があります。
品種によって生食に適しているもの、スープや炒めものなどの加熱に向いているものがあるので、品種ごとの違いも楽しめるのが魅力です。
そんなケールの栽培ですが、他のアブラナ科の野菜と同様、虫がつきやすく、アオムシやヨトウムシなどに幼葉や茎を食べられてしまうと成長が止まってしまいます。
しかし、ある対策をおこなえば害虫を防ぐことができ、初心者のあなたでも上手に美味しいケールを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、ケールの育て方と栽培のコツを
- ケール栽培の特徴
- 害虫を予防するコツ
- おすすめの品種
- 種まき~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
ケールは、ビタミンやミネラルが豊富な野菜です。元気な株を育てて、食卓に彩りと栄養素をプラスしたいですね。
ケールの栽培の特徴とコツ
ケールの栽培の特徴
ケールの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
栽培難易度:★☆☆☆☆
分類:アブラナ科
種まき時期:2月上旬~3月下旬(春まき)、7月上旬~8月下旬(夏まき)
収穫時期:6月上旬~7月下旬(春まき)、10月上旬~1月下旬(夏まき)
発芽適温:15~30℃
生育適温:15~20℃
好適土壌pH:6.0~7.0
連作障害:連作不可。2~3年あけましょう。
【栽培のコツ1】苗を植え付けたらすぐに防虫ネットをしよう!
アブラナ科の野菜は虫に狙われやすく、ケールにも、アブラムシ類やシンクイムシ類、アオムシやヨトウムシなどの害虫がよく発生します。
アオムシなどに幼葉や芯を食べられてしまうと成長してくれないので、植え付けの段階で防虫ネットをかぶせるとよいでしょう。
隙間から虫が入り込まないよう、ネットの裾は土に埋めるなどしてしっかりと固定するのがポイントです。
ケールのおすすめの種まき時期は2月上旬~3月下旬(春まき)、7月上旬~8月下旬(夏まき)
ケールには春まきと夏まきがあります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 4月上旬~7月中旬
- 中間地(関東等) : 2月上旬~3月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 2月上旬~3月中旬
<夏まきの場合>
- 中間地(関東等) : 7月上旬~8月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 7月中旬~9月中旬
ケールのおすすめの品種はカーリー・ケール、カーボロネロ、ロシアンケール
ケールにはいろいろな品種があります。
葉が柔らかく生食に適しているもの、加熱に向いているものなど、用途によって選ぶのもよいでしょう。
カーリー・ケール
葉がフリル状に縮む、パセリのような葉の品種です。
青汁用の品種と比べ苦味が少なく、サラダとしても利用できます。
カーボロネロ
葉が黒っぽいので「黒キャベツ」とも呼ばれている品種です。
葉は細長く、苦味の中に甘みも感じられる深い味わいです。
煮込みやスープ料理に向いています。
ロシアンケール
葉の中央が赤いのが特徴です。
他のケールに比べ葉が柔らかく、若葉はサラダに向いています。
ケールの育て方と栽培のポイント
手順1.水はけの良い畑で土作りをしよう!
ケールは乾燥に強く過湿に弱いため、栽培には日当たり、風通し、水はけのよい畑が向いています。
また、ケールは酸性土壌に弱い傾向があります。
土作りの際には石灰を入れるなどして土の酸度を調整しましょう。
- 植え付けの2週間前に、1㎡あたり100gの苦土石灰を入れてよく耕します。
- 植え付けの1週間前には堆肥と元肥を入れて、土によくなじませます。
- 幅60~80cm、高さ10~15cmくらいの畝をつくります。
除草効果やアブラムシなどの病虫害から守るためにも、マルチシートを敷くのもおすすめです。
特にシルバーマルチは光を反射するので、害虫が逃げていく効果が期待できます。
シルバーマルチとは?
シルバーマルチは光を反射するので、アブラムシなどが逃げていく優れたシートです。
防草効果も高く、地温の温度を保つ効果もあるため、必要以上に地温をあげたくない作物にも有効です。
園芸店で購入できますが重いので、家まで届けてもらうのがおすすめです!インターネットでも購入できます。
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手順2.育苗箱やポットに種をまこう!
<育苗箱の場合>
- 育苗箱に種まき用土を入れてならします。
- 板切れなどで深さ1cmほどの溝をつけます。間隔は3cmくらいあけましょう。
- 付けた溝に沿って、一粒ずつ種をまきます。
- 溝の凹凸が埋まり、種が完全に隠れる程度に土をかぶせ、たっぷりと水をやります。
- 発芽するまで土が乾かないように管理します。
- 発芽したら、生育の悪いものを間引き、葉が重ならないようにします。
<ポットの場合>
- 育苗ポットに種まき用の土を入れます。
- 種を4~5粒ほどまきます。
- 薄く土をかぶせ、たっぷりと水をやります。
- 発芽するまで土が乾かないように管理します。
- 発芽したら、生育の悪いものを間引き、 本葉が2~3枚になったら一本立てにします。
手順3.30~40cm間隔で苗を植え付けよう!
本葉が5~6枚になったら植え付けのタイミングです。
- 株同士の間隔を30~40cmほどとって、植え穴を掘ります。
- 根についた土を崩さないように苗を植え付けます。
- まわりの土を寄せて軽く押さえ、水やりをします。
植え付けの直後はたっぷりと水を与えますが、その後は土が乾いたら水を与える程度にし、乾燥気味に育てます。
手順4.苗を植え付けたら防虫ネットをすぐにかぶせよう!
植え付けが終わったら、防虫ネットを被せて害虫対策をしましょう。
虫を見つけてからでは手遅れになってしまうので、植え付けをしてすぐ、苗の小さなうちにネットを被せてください。
虫は小さな隙間からも入ってきます。
防虫ネットをかぶせたら、裾を土にしっかり埋めるようにするのがポイントです。
手順5.本葉が10枚になったら追肥・土寄せをしよう!
株が疲れないようにし、より長く収穫をするためにも追肥は欠かせません。
植え付けから1ヶ月ほどたち、本葉が10枚くらいになった頃に追肥を施し、土寄せをします。
その後も、2週間に1回を目安に、株の様子をみながら追肥を行ってください。
ケールの収穫時期と収穫方法
ケールの収穫時期
ケールの収穫時期は、栽培地によってかわります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 7月下旬~11月中旬
- 中間地(関東等) : 6月上旬~7月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 5月下旬~7月中旬
<夏まきの場合>
- 中間地(関東等) : 10月上旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等):10月中旬~2月中旬
本葉が10枚になったら下葉から収穫しよう!
収穫はタイミングは品種にもよりますが、本葉が10枚くらいになった頃を目安に大きく育った下葉から収穫していきます。
順次葉を収穫することで、また新しい葉が育っていくので、長い間収穫を楽しむことができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「ケールの育て方!栽培時期や種まき・植え付け・肥料などの栽培のコツ」を紹介してきました。
ケールは、害虫対策さえしっかりと行えば、あまり手間をかけずに育てることができます。栄養満点のスーパーフードでもあるので、上手に育ててたくさん収穫し、いろいろな料理に使ってみたいですね。
【種まき時期】
栽培地によってかわります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 4月上旬~7月中旬
- 中間地(関東等) : 2月上旬~3月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 2月上旬~3月中旬
<夏まきの場合>
- 中間地(関東等) : 7月上旬~8月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 7月中旬~9月中旬
【土作り】
ケールは過湿に弱いため水はけの良い畑が向いています。
苦土石灰をまいて酸度を調整し、堆肥と元肥を入れてよく耕しておきます。
【種まき】
育苗箱やポットに種まきをし、土を軽く被せて水をたっぷり与えます。
【間引き】
発芽したら、生育の悪いものを間引いていきます。
【植え付け方】
本葉が5~6枚になったら、株同士の間隔を30~40cmほどとって植え付けます。
【水やり】
過湿に弱いため、水の与えすぎに注意し、乾燥気味に育てます。
【追肥と土寄せ】
本葉が10枚くらいになったら追肥と土寄せを行います。
その後も株の様子をみながら2週間に1回を目安に追肥を行います。
【収穫方法】
本葉10枚くらいになったら、下葉から順次収穫していきます。
【収穫時期】
栽培地によってかわります。
<春まきの場合>
- 寒冷地(東北等) : 7月下旬~11月中旬
- 中間地(関東等) : 6月上旬~7月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 5月下旬~7月中旬
<夏まきの場合>
- 中間地(関東等) : 10月上旬~2月下旬
- 温暖地(四国・九州等):10月中旬~2月中旬