病害虫の被害状況と対策方法

腐敗病の野菜被害対策!6つの防除方法や持続性に優れた農薬も紹介

まだ収穫していないのに元気がなくなってきて、最後には腐ってしまうことがあります。

しっかりと手をかけて栽培しているにもかかわらず、その症状が出たときは腐敗病(ふはいびょう)を疑ってください。

そのまま対策をせず放置していると、葉が腐って病気が次々と株に広がっていったり、結球する野菜は外から徐々に腐ってしまいます。

しかし、ある6つの対策をおこなえば、腐敗病の被害にあわずに、初心者のあなたでも上手に美味しい野菜を作ることができますので、紹介していきますね。

そこで、腐敗病の野菜被害対策を

  • 被害になりやすい野菜の種類
  • 被害の特徴と様子
  • 発生の時期と場所
  • 6つの予防や対策方法とポイント

にわけて、説明していきたいと思います。

年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^

腐敗病の野菜被害の特徴

腐敗病が発生しやすい野菜

腐敗病が発生しやすい野菜の特徴

アブラナ科・・・ダイコン・ブロッコリー・チンゲンサイ
キク科・・・レタス
ウリ科・・・キュウリ
ネギ科・・・ネギ
ヒガンバナ科・・・タマネギ・ラッキョウ・ニンニク

腐敗病の原因と伝染経路

腐敗病は、細菌が引き起こす病気です。

腐敗病は、気温が寒くなってくると発生しやすくなります。

そのため、12月から3月までの低温期に集中します。

冬の期間に霜による凍結や風による被害がおきた野菜が感染しやすくなります。

また、雨による跳ね返りで菌がばらまかれてしまいます。

ことさん
ことさん
冬の間でも収穫できる野菜は注意が必要です。

腐敗病の被害の特徴と様子

この病気にかかってしまうと、葉が水に濡れたようなり、そこに斑点ができて広がります。

最終的には、葉が垂れてきて腐ってしまいます。

結球する野菜が感染してしまうと、球を覆う葉が腐っていき海苔で巻いたような見た目になります。

さらに、一見被害にあっていないようでも、中の葉が感染していることもあります。

外側から感染した場合には、内側へ感染を広めていきますので、早期の対応が必要です。

ことさん
ことさん
見つけ次第、対処しないと全滅する可能性があります。

腐敗病の6つの対策・防除方法

腐敗病の対策には、6つの方法があります。

  • 被害がでた葉は焼却処分する。
  • 収穫後の株も除去して処分する。
  • 霜が降りる前に寒冷沙を設置する。
  • トンネルは大きめにして保温する。
  • 連作せず、肥料は基準値にする。
  • 農薬を使用する。

対策1.被害がでた葉は、必ず焼却処分しましょう!

被害がでた葉は、見つけ次第つみとります。

そして、葉だけではなく落ち葉も含めてしっかりと焼却処分してください。

畑の片隅にまとめておいておくことが厳禁です。

別の野菜で被害が出てしまいます。

対策2.収穫がおわった後の株も除去して処分しよう!

腐敗病に感染した株は、どこまで菌が回っているか分かりません。

そのため、収穫が終わった株もしっかりと抜いて処分しましょう。

そのさい、畑に放置しないようにしてください。

そこから、腐敗病の胞子が発生する可能性があります。

対策3.霜が降りてくる前に、寒冷沙で保護しましょう!

腐敗病に感染する原因の1つは、霜による被害です。

霜の被害にあった野菜は、腐敗病にかかりやすくなります。

そのため、霜が降りるまえに寒冷沙で野菜を保護しましょう。

対策4.トンネルは大きめにして、保温力を高めましょう!

腐敗病は、寒くなってくると発生します。

そのため、寒冷沙のトンネルは大きめに設置して、内部温度が高くなるようにします。

さらに、雨による土の跳ね返りでも被害が広がりますので、直接雨が土に落ちないのも目的です。

対策5.連作は避けて、追肥も基準値を心がけましょう!

連作も、腐敗病が発生する要因の1つです。

連作可能かどうかを確認してから、野菜を植え付けましょう。

また、多肥も発生要因の1つです。

資料や袋に書かれている基準の量を守って追肥しましょう。

対策6.腐敗病の防除には「オリゼメート粒剤」が有効です。

この農薬は、効果の持続性に優れ植物の病害抵抗性を誘導して高い効果を示す、ユニークな作用性をもつ殺菌剤です。

そのほか、下記の農薬も有効です。

  • カスミンボルドー
  • コサイドボルドー
ことさん
ことさん
商品によって使用量・うすめ方・使用時期がことなりますので、しっかりと説明書を読んでから使用しましょう。

<見出し>まとめ

いかがでしたか?

今回は、「腐敗病の野菜被害対策!6つの防除方法や持続性に優れた農薬も紹介」を紹介してきました。

処置をおこたるとせっかく精魂込めてつくった野菜が、全滅してしまいます。

ことさん
ことさん
しっかりと、対策をおこなって大事な野菜を守りましょう!
腐敗病対策のまとめ

【腐敗病の特徴】
細菌が原因です。
葉が水に濡れたようなり、そこに斑点ができて広がります。

【発生の時期】
12月から3月までの寒い時期に発生します。

【被害にあう野菜】

  • アブラナ科:ダイコン・ブロッコリー・チンゲンサイ
  • キク科:レタス
  • ウリ科:キュウリ
  • ネギ科:ネギ
  • ヒガンバナ科:タマネギ・ラッキョウ・ニンニク

【被害の特徴】
葉が垂れてきて腐ってしまいます。
結球する野菜の場合、外側から腐っていきます。

【腐敗病の対策】
腐敗病の対策には、7つの方法があります。

  • 被害がでた葉は焼却処分する。
  • 収穫後の株も除去して処分する。
  • 霜が降りる前に寒冷沙を設置する。
  • トンネルは大きめにして保温する。
  • 連作せず、肥料は基準値にする。
  • 農薬を使用する。

【おススメの対策】
腐敗病は野菜が弱ると発生しやすくなります。
そのため、発生しない環境づくりが必要です。

  • 土の水はけを良くすること
  • 畝(うね)を高く作ること
  • 密植や枝葉の盛りすぎを避けて風通しを良くすること
  • 多肥や肥料不足に気をつけること