元気に育ってきた野菜の葉が、縮んだり変色したりモザイク状になり成長が悪くなったりします。
それは、ウイルス・モザイク病といってウイルスが原因で発生する植物の病気です。
そのまま対策をせず放置していると、葉が枯れて病気が次々と株に広がっていき成長がわるくなったり、収穫できなくなります。
しかし、ある7つの対策をおこなえば、ウイルス・モザイク病の被害にあわずに、初心者のあなたでも上手に美味しい野菜を作ることができますので、紹介していきますね。
そこで、ウイルス・モザイク病の野菜被害対策を
- 被害になりやすい野菜の種類
- 被害の特徴と様子
- 発生の時期と場所
- 7つの予防や対策方法とポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
ウイルス・モザイク病の野菜被害の特徴
ウイルス・モザイク病が発生しやすい野菜
【ウイルス・モザイク病が発生しやすい野菜の特徴】
アブラナ科・・・ブロッコリー・ホウレンソウ・チンゲンサイ
イネ科・・・トウモロコシ
ウリ科・・・マクワウリ
キク科・・・ゴボウ・
マメ科・・・インゲン・
ナス科・・・ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシ・ジャガイモ
アオイ科・・・オクラ
サトイモ科・・・サトイモ・
ヒガンバナ科・・・タマネギ・ラッキョウ・ニンニク
ウイルス・モザイク病の原因と伝染経路
様々なウイルスが単体もしくは複合体として、様々な病気を引き起こすのが、ウイルス・モザイク病です。
この病気は、9月から11月にかけて発生しやすい傾向があります。
ウイルスが原因で感染する原因としては、次の4つがあります。
- 感染した植物との接触
- 感染したハサミや人の手
- ウイルスがついた衣服の接触
- 樹液や果実の汁を吸う害虫による媒介
特に、針を差し込んで汁を吸う害虫が原因で様々な病気が広がります。
- モザイク病:アブラムシが媒介します
- 黄化えそ病:アザミウマ類が媒介する
- 黄化葉巻病:タバココナジラミが媒介
- えそ斑点病:菌類が原因で病気が発生
ウイルス・モザイク病の被害の特徴と様子
感染するウイルスの種類によって病状は異なりますが、分類すると次の5つに分けれらます。
- 萎黄病:葉や茎が黄色く変色する
- 萎縮病:葉や茎が成長しなくなり萎縮する
- モザイク病:葉にモザイク状の病斑がでる
- 葉巻病:葉が巻いて萎縮する
- 輪紋病:黄色や黄緑色の輪紋ができる
特に、アブラムシが媒介するモザイク病の被害が多く、感染も広範囲に広がります。
モザイク病に感染すると、様々な症状が現れます。
- 葉にモザイク状の模様が現れて、葉が縮んで小さくなる
- 葉に黄色の斑点ができて、やがてモザイク状になる
- 葉が萎縮してしまい、茎全体がねじれてしまう
このように、葉が異常な状態になり野菜の成長がわるくなります。
ウイルス・モザイク病の7つの対策・防除方法
ウイルス・モザイク病の対策には、7つの方法があります。
ウイルスに感染した場合に、治療する薬剤はありませんので、予防と消毒が大事です。
- 農作業で使用した道具は消毒する。
- 被害がでた葉は焼却処分する。
- 収穫後の株も除去して処分する。
- 防虫ネットで害虫を寄せ付けない。
- 銀線入りマルチでアブラムシを撃退。
- 木酢液で害虫から野菜を守る。
- 農薬を使用する。
対策1.農作業で使用した道具は、しっかりと消毒しましょう!
日々の農作業で利用するハサミやクワなどの道具にも、ウイルスがくっついている場合があります。
作業が終わったら、消毒するようにしましょう。
また、人の手にも付いている可能性がありますので、畑に入る前に消毒しておきましょう。
対策2.被害がでた葉は、必ず焼却処分しましょう!
被害がでた葉は、見つけ次第つみとります。
そして、葉だけではなく落ち葉も含めてしっかりと焼却処分してください。
畑の片隅にまとめておいておくことは厳禁です。
別の野菜で被害が出てしまいます。
対策3.収穫がおわった後の株や根も除去して処分しよう!
ウイルス・モザイク病に感染した株は、どこまで菌が回っているか分かりません。
そのため、収穫が終わった株や根もしっかりと抜いて処分しましょう。
そのさい、畑に放置しないようにしてください。
そこから、ウイルス・モザイク病の胞子が発生する可能性があります。
対策4.防虫ネットをトンネル掛けして害虫から野菜を守りましょう!
防虫ネットをトンネル掛けして、害虫を野菜にちかづけない様にします。
防虫ネットは種をまいた時や苗を植え付けた時点で、すぐに設置しましょう。
このとき注意しなければいけないのが、ネットと地面にすき間をつくらないことです。
害虫は、飛ぶだけでなく歩いても野菜に近づきます。
1番有効なのは、ネットの端を地面に埋めてしまうことです。
対策5.銀線入りマルチを使ってアブラムシを寄せ付けないようにしよう!
ウイルスを媒介するアブラムシには、銀線入りのマルチが有効です。
アブラムシはキラキラしたものが苦手なので、近寄らなくなります。
ただし、植え付け前の畝(うね)づくりの時点で設置する必要がありますので、ご注意ください。
対策6.木酢液を使用して、害虫から野菜を守ろう!
多くの害虫は、木酢液の匂いが大嫌いです。
木酢液を野菜に吹きかけておけば、アブラムシなどは近寄りません。
元々、木酢液は木材を炭にするときに出てくる煙が液体化したものです。
天然の素材ですので、何度野菜に吹きかけても問題はありません。
木酢液は、園芸店やホームセンターで購入できます。
ただし、雨が降れば木酢液は流れてしまいます。
そのつど、野菜にふきかける必要があります。
対策7.ウイルス・モザイク病の防除には「レンテミン液剤」が有効です。
この農薬は、農作業で使用した道具についたウイルスを殺菌するものです。
そのほか、下記の農薬も有効です。
- ビストロン10
- モスピラン・トップジンMスプレー
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「ウイルス・モザイク病の野菜被害対策!7つの防除方法や殺菌効果に優れた農薬も紹介」を紹介してきました。
処置をおこたるとせっかく精魂込めてつくった野菜が、全滅してしまいます。
【ウイルス・モザイク病の特徴】
ウイルスが原因です。
特に害虫が媒介するものが多いのが特徴です。
【発生の時期】
9月から11月までの間に発生しやすい傾向があります。
【被害にあう野菜】
- アブラナ科:ブロッコリー・ホウレンソウ・チンゲンサイ
- イネ科:トウモロコシ
- ウリ科:マクワウリ
- キク科:ゴボウ
- マメ科:インゲン
- ナス科:ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシ・ジャガイモ
- アオイ科:オクラ
- サトイモ科:サトイモ
- ヒガンバナ科:タマネギ・ラッキョウ・ニンニク
【被害の特徴】
葉がモザイク状になって、縮んだり枯れたりします。
【ウイルス・モザイク病の対策】
ウイルス・モザイク病の対策には、7つの方法があります。
- 農作業で使用した道具は消毒する。
- 被害がでた葉は焼却処分する。
- 収穫後の株も除去して処分する。
- 防虫ネットで害虫を寄せ付けない。
- 銀線入りマルチでアブラムシを撃退。
- 木酢液で害虫から野菜を守る。
- 農薬を使用する。
【おススメの対策】
ウイルス・モザイク病の予防は、次の2つが重要です。
- 農作業で使用した道具の消毒
- 害虫を野菜に寄せ付けない事