緑黄色野菜に分類されるインゲンは、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラル類やビタミンB群などのビタミンも豊富。
さっと茹でて塩をパラパラっとふっただけでも十分に美味しいですよね。
インゲンにはツルを長く伸ばす「つるあり種」とツルが短い「つるなし種」があります。
今回紹介する「つるあり種」は、初心者でも気軽に栽培することができる野菜の一つ。
「つるなし種」に比べ、収穫期が長く、収穫量も多いのが特徴です。
そんなインゲン(つるあり)の栽培ですが、鳥害対策をしておかないと、せっかくまいた種が育ってくれません。
しかし、ある対策をおこなえば発芽した種を守ることができ、初心者のあなたでも上手に美味しいインゲンを作ることができますので紹介していきますね。
そこで、インゲン(つるあり)の育て方と栽培のコツを
- インゲン(つるあり)栽培の特徴
- 発芽率をUPさせるためのコツ
- おすすめの品種
- 植え付け~収穫までのポイント
にわけて、説明していきたいと思います。
年間で約40種類の野菜を作り、家庭菜園歴12年の知識と経験から、初心者のあなたでもわかりやすく説明していきますね^^
収穫はもちろんのこと、かわいい花も楽しむことができますので、ぜひインゲンの栽培にチャレンジしてみてください。
インゲン(つるあり)の栽培の特徴とコツ
インゲン(つるあり)の栽培の特徴
インゲンの栽培の特徴とコツをつかめば、初心者でも簡単に作ることができますよ♪
<栽培の特徴>
栽培難易度:★★☆☆☆☆
分類:マメ科
種まき時期:4月下旬~5月下旬
収穫時期:7月上旬~9月中旬
発芽適温:20~25℃前後
生育適温:15~25℃前後
好適土壌pH:6.0~6.5
連作障害:不可。2~3年あける
【栽培のコツ1】前の年に残った種を使わない!
インゲンなどマメ科の野菜は種の寿命が短く、前年に余った種を使うと発芽率が悪くなってしまいます。
種は毎年新しいものを用意しましょう。
【栽培のコツ2】種まき後は不織布で鳥害対策をする!
種や発芽した直後の芽は、鳥に食べられてしまうことが多いため、種まき後は不織布などをかけて鳥害を防ぎましょう。
不織布は本葉が出はじめる頃までかけておきます。
インゲン(つるあり)のおすすめの種まき時期は4月下旬~5月下旬
栽培する地域によりますが、インゲン(つるあり)の種まき時期は中間地(関東等)で4月下旬~5月下旬が目安です。
- 寒冷地(東北等) : 5月上旬~6月上旬
- 中間地(関東等) : 4月下旬~5月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月上旬~5月中旬
インゲン(つるあり)のおすすめの品種はスラットワンダー、ジャンビーノ、モロッコ
大きくわけて、インゲンには「丸サヤ」と「平サヤ」の2種類があります。
ここでは代表的な育てやすい品種を紹介します。
スラットワンダー
つるあり種の代表的な品種です。
濃緑色でツヤのある丸サヤで、肉質はやわらかく、甘みがあります。
ジャンビーノ
鮮緑色の平サヤで、種まきから60日ほどで収穫できる極早生の品種なので、早くから収穫が楽しめます。
スジなしでやわらかく、収穫量も多い品種です。
モロッコ
スジなしの平サヤ種です。
勢いよく育ち、収穫量が多い品種で、取り遅れてもやわらかく味が落ちないのが特徴です。
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インゲン(つるあり)の育て方と栽培のポイント
手順1.チッ素肥料を多めに土作りをしよう!
- 種まきの2週間前までに苦土石灰(くどせっかい)を1㎡あたり100gまき、深さ30cmくらいまで土をよく耕しておきます。
- 植え付けの1週間前までに1㎡あたり堆肥1kgと化成肥料80gを入れ、土とよく混ぜます。
マメ科の植物の根には根粒菌が共生していて、自ら栄養分を作る出すことができます。
そのため、普通はチッ素肥料は少なめに施します。
しかし、インゲンはマメ科の野菜には珍しくチッ素肥料を多めに必要とします。
手順2.3粒ずつ種をまこう!
- 幅90cm、高さ10cmほどの畝を作ります。
- 株と株の間を50cmほどあけて、深さ3cmの植え穴を掘ります。
- 植え穴に種を3粒ずつまき、軽く土をかけて水をやります。
<ポットまきの場合>
- 種まき用培養土をポットの8分目まで入れて種を3粒まき、2cmほど土をかぶせ、水をやります。
- 暖かい環境で育苗し、発芽したら1本間引いて2本立ちにします。
- 本葉2~3枚になったら2本立ちのまま定植します。
手順3.発芽がそろったら1本間引いて2本残す
- 発芽がそろったら、1本間引いて2本立ちにします。
- 間引きをした後は、残した2本の株のぐらつきをおさえるため、株元の土を軽く押しておきます。
手順4.【追肥・土寄せ①】本葉が5枚になったら
本葉が5枚になったら、追肥と土寄せを行います。
- 1㎡あたり化成肥料50gを株のまわりにまき、土とよく混ぜ、土寄せをします。
- このとき、除草も行いましょう。
手順5.キュウリ用の支柱とネットをたてよう!
本葉が4~5枚くらいになるとツルが伸び始めます。
ツルが巻き付くための支柱を立て、ネットを張りましょう。
キュウリ用の網支柱を使うとツルが自然と絡まっていってくれるので手間いらずですよ。
手順6.つるが支柱の先まで伸びたら摘芯しよう!
ツルが支柱の上部まで伸びたころに摘芯します。
摘芯することで、新しい枝の発生を促すことができます。
こまめにツルを誘引する必要はありませんが、ツルが絡み合っているところがあれば、誘引して全体に日が当たるようにしましょう。
また、葉が混んでいるところがあれば、わき芽をかいて風通しをよくします。
手順7.【追肥・土寄せ②】収穫最盛期になったら
収穫が始まったら、もう一度追肥を行います。
1㎡あたり50gの化成肥料を株のまわりにまき、土とよくまぜて、土寄せします。
ただし、栄養が多すぎるとアブラムシが付きやすくなるので、アブラムシが付いているときは追肥は控えます。
インゲン(つるあり)の収穫時期と収穫方法
インゲン(つるあり)の収穫時期
インゲンの収穫時期は、栽培地によってかわります。
寒冷地(東北等) :7月中旬~9月下旬
中間地(関東等) :7月上旬~9月中旬
温暖地(四国・九州等):7月上旬~8月中旬
大きくなると硬いので早めに収穫しよう!
インゲン(つるあり)は、種まきから50~60日で収穫時期を迎えます。
サヤの長さが10~15cmに成長し、サヤの中の豆が膨らみ始める前が収穫の目安です。
枝を痛めないようにして、サヤの上をハサミで切るか、手でもぎ取って収穫します。
丸サヤ種は特に、大きくなると固くなりやすいため、育ちすぎないうちに収穫しましょう。
また、収穫が遅れるとサヤの中の豆の肥大に養分が取られてしまい、新たな花芽が形成されにくくなったり、株が弱まってしまいます。
長期間収穫するためにも取り遅れのないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「インゲン(つるあり)の育て方!肥料・摘芯・支柱など栽培のコツ」を紹介してきました。
種を鳥害からしっかり守って発芽させ、支柱とネットを立てておけば、後は手間いらずで手軽に栽培できるので、ぜひインゲンの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
【種まき時期】
栽培する地域によってかわります。
- 寒冷地(東北等) : 5月上旬~6月上旬
- 中間地(関東等) : 4月下旬~5月下旬
- 温暖地(四国・九州等): 4月上旬~5月中旬
【土作り】
堆肥と元肥を入れて耕し、幅90cm、高さ10cmほどの畝を作ります。
【種まき】
株間50cmほどあけて植え穴を掘り、種を3粒ずつまきます。
発芽がそろったら、1本間引きし、2本立ちにします。
【支柱立て】
本葉が4~5枚くらいになり、ツルが伸び始めたら支柱とネットを立てます。
【肥料】
本葉が5枚になった頃と収穫が始まる頃の2回、追肥と土寄せをします。
【摘芯】
ツルが支柱の上部まで伸びた頃に摘芯をします。
【収穫】
サヤの長さが10~15cmに成長し、サヤの中の豆が膨らみ始める頃が収穫適期です。
【収穫時期】栽培する地域によってかわります。
- 寒冷地(東北等) :7月中旬~9月下旬
- 中間地(関東等) :7月上旬~9月中旬
- 温暖地(四国・九州等):7月上旬~8月中旬